政府関係の人事で物議を醸す事態が頻発しているボルソナロ政権。今度は、新たに任命された人物が過去にあげた写真やツイッターでの発言をめぐって、ネット上で炎上が起きている。
問題の人物は、ボルソナロ氏によって大統領府社会通信局(SECOM)の広報担当に抜擢されたルイス・ガレアッソ氏だ。
だが、指名直後の5日、かつては大統領の熱烈支援者だったが、対立して袂を分かったことで知られるアレッシャンドレ・フロッタ下議が、自身のツイッターで「ボルソナロが指名したのはこういう男だ。また、偽善者が選ばれたんだな」と、ガレアッソ氏の個人写真を掲載した。
そこにはベッドの両脇に女性を2人従えたガレアッソ氏の姿があり、さらに同氏が2人と性行為をかわす写真も添えられていた。
これは同氏が自身のインスタグラムに2018年に掲載した、本物の写真だった。
ガレアッソ氏はこれが本物の写真であることを認めた。だが「こんな卑怯なことを」とフロッタ氏を責めた。
ガレアッソ氏は、性的なことに厳格なことで知られる、ウニベルサル教会の信徒だというふれこみだった。
この件は、フロッタ氏の前職がポルノ俳優であったことも手伝って、笑い話的に話題が広がった。
すると、ガレアッソ氏をめぐって、今度は過去のツイッターでの発言を問題視する声が次々とあがった。
人気ユーチューバーのフェリペ・ネットは、ガレアッソ氏が過去に「ボルソナロ大統領は左翼を普通の人間として扱ってはいけないと言ったが、それは違う。人間として扱ってはいけないんだ」と言ったツイートを暴露した。
さらに急進左派、社会主義自由党(PSOL)のサミア・ボムフィン下議は、自身がガレアッソ氏に女性蔑視的なコメントを受けたことを告白した。同下議による告発はそれだけに止まらず、2018年に社会問題となった、PSOLのリオ市会議員マリエレ・フランコ氏が射殺された際に祝うコメントを行ったものや、「ナチスと共産主義はエリートへの嫌悪や大量殺戮などの共通点があるが、少なくともナチスは共産主義を打倒した」などという発言を行ったものなど、過去のガレアッソ氏の問題ツイートを続けざまに暴露した。
これらの件を受け、ボルソナロ大統領が人事を再考しはじめているとの報道も7日になされている。
ガレアッソ氏が所属するSECOMは、局長のファビオ・ワインガルテン氏が毎月、大手テレビ局や広告代理店から賄賂であることが疑われる支払を受けていたとの疑惑が発覚し、関連報道が連日のように続いている最中に起きた、新しいスキャンダルだった。(7日付フォーリャ紙、5日付ブラジル247より)