ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ゲデス経済相「家政婦がディズニーランドに行けた時代が異常」と発言=レアル安ドル高を容認か=翌日ルーラ元大統領が痛烈批判

《ブラジル》ゲデス経済相「家政婦がディズニーランドに行けた時代が異常」と発言=レアル安ドル高を容認か=翌日ルーラ元大統領が痛烈批判

パウロ・ゲデス経済相(Wilson Dias/Ag. Brasil)

 レアル安ドル高が止まらない。12日の為替相場は5取引日連続のレアル安ドル高となり、前日比0・57%ドル高の1ドル=4・351レアルで取引を終了。レアルプラン開始以降の最高値を連日更新したと、13日付ブラジル各紙が報じている。
 今年に入ってからのドルはレアルに対して8・4%高くなった。レアルは今年、対ドルで最も値を下げた通貨だ。また、12日のサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は、前日比1・13%高の11万6674・13ポイントだった。
 パウロ・ゲデス経済相は12日の取引終了後に、ドル高を容認する発言を行った。
 「もう1ドル=1・8レアルなんてことにはならない。家政婦がディズニーランドに行くような時代は終った。旅行なら国内に行けばいい」と語ったゲデス経済相は、アマゾン、イグアスの滝、ブラジル北東部などの観光名所を推薦した後、「経済基本金利(Selic)4%、1ドル=4レアルの方が、Selic14%、1ドル=1・8レアルよりずっとまし」と続けた。
 経済相はさらに、「ドルは少し高いくらいの方が、皆にとって良い結果を生む。輸出するには有利だし、輸入に頼ってきた品も、『外国産が高いなら国内産製品でまかなえないか』と考えた業者が工夫する」と語った。
 株式仲介会社ネクトンの主席エコノミスト、アンドレ・ペルフェイト氏は、「今年に入ってから、多くの通貨がドルに対して弱くなっている。投資家たちは世界的な経済リスクが高まっているのを感じており、より安定的な通貨の米ドルを買う動きが強まっている」とし、1ドル=4・60レアル水準もありうるとしている。
 ドル高更新の12日には、ブラジル地理統計院(IBGE)が、昨年12月の国内小売(販売量)が前月比マイナス0・1%だったとも発表した。
 ブラジル紙は「小売不振により、来月の通貨政策委(Copom)でSelicの更なる利下げもありうる」としているが、利下げはまた、レアル安を誘発しかねない。
 ブラジル紙は12日に、両替商9社で観光ドルのレートを調査した。観光ドルレートは、レアルの現金でドルの現金を買う場合のレートで、通常のレートより割り高だ。調査によると、最も高いところでは1ドル=4・55レアル、最も低いところでも4・47レアルだった。
 ゲデス発言の翌日、ルーラ元大統領は、「『家政婦がディズニーランドに行けるのが異常』などと発言するような人間は、経済的に恵まれない人々が社会的に成功することも、ブラジルの主権的発展も望んでいないのだ」とツイートした。