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《ブラジル》カルフールがマクロを買収=卸部門強化に向け30店舗

 フランス系のスーパーマーケットチェーン、カルフール(Carrefour)グループが16日、19億5千万レアルで卸販売チェーン店のマクロ(Makro)を30店舗買収すると発表したと17日付現地紙が報じた。
 今回の買収は、2007年に買収し、現在は187店舗を有する卸部門アタカダン(Atacadao)を強化するためだ。
 マクロは全国17州に店舗があり、30店舗中22は自前の店舗、八つは場所を借りて運営している。特に注目されているのは、リオ州と北東部で、前者では7店舗、後者では8店舗が買収対象となっている。また、マクロが所有している店舗の内14店舗はガソリンスタンドも経営しており、その経営権もカルフールに移る。
 現在はまだ、賃貸物件で経営している店舗の扱いを検討中で、経済防衛行政審議会(Cade)の承認も必要だ。買収が正式に承認されれば、30店舗中20店舗は今年中、残る店舗も承認から12カ月以内にアタカダンと名前を変える。
 カルフールは690カ所に店舗を持ち、昨年の売上は620億レアル、内420億レアルはアタカダンを通したものだ。一方、マクロの売上は28億レアルだった。
 カルフール側はアタカダンの進出地域拡大を目指しており、マクロ買収をアタカダン買収以来の重要商談と評している。
 マクロはオランダ系のホールディング会社SHVの傘下で、ブラジル、アルゼンチン、コロンビア、ペルー、ベネズエラに計167店舗を有している。現在の従業員は1万5千人で、昨年の総売上は30億ユーロ(約140億レアル)だった。
 今回の買収は、自社経営の店舗をサンパウロ州に集中させ、経営の効率化と収益率を上げるための戦略だという。同社は元々、卸専門で、近年は一般顧客にも対応し始める一方、店舗整理も始めていた。
 同社はサンパウロ州に24店舗を有しており、今後は、フード・サービスの名前で、外食産業に進出する可能性を探っている。また、現在の店舗の平均面積は8千平米だが、今後は4分の1程度の規模の店舗を開ける事も考えているという。
 だが、サンパウロ州にはアタカダンやASAIといった卸チェーン店があり、マクロの思惑がうまく機能するかを疑問視する専門家もいるようだ。