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《ブラジル》大型強奪事件の影に共通人物=指紋やDNAで関連性が判明

 科学調査の進歩や犯罪者のデータバンク充実により、近年の大型強奪事件の容疑者が、他の同様の事件にも関与していた事が判明と20日付エスタード紙が報じた。
 19年は、3月にサンタカタリーナ州ブルメナウのケロ・ケロ空港での強奪事件(被害額980万レ)をはじめ、7月はサンパウロ州グアルーリョスのクンビッカ空港で1億1730万レアル相当の金塊強奪、10月にサンパウロ州カンピーナスのヴィラコッポス空港で強奪事件(被害額未発表)と、立て続けに類似事件が起きた。
 これら3件は、重火器で武装して空港に侵入、飛行機に積み込む予定の金塊などを強奪した点をはじめ、警察車両を模した車を使用、逃走に救急車やゴミ収集車を利用といった共通点がある。
 犯人達は覆面を使用して身元特定を困難にしているが、現場や逃走に利用した車などに残された指紋や覆面などに残っていた毛髪などから得たDNA情報などを掛け合わせた結果、同一人物が複数の事件に関与している事が判明している。
 ブルメナウの事件で逃亡中のダヴィ・M・ドス・サントス容疑者と、ヴィラコッポスの事件で死亡したダニエル・M・ドス・サントス容疑者は兄弟だ。ダヴィ容疑者は14年に収監中の刑務所から救出された人物で、法務省が先日発表した主要犯罪者リストにも掲載済みだ。17年にパラグアイのデル・エステ市で起きた、現金輸送や警備担当のプロセグル社襲撃事件にも関与したとされている。また、この兄弟はペルナンブコ州やバイア州で起きた銀行や宝くじ販売所襲撃事件などにも関与しており、11年の摘発作戦で起訴、翌12年に断罪されていた。
 また、ブルメナウの事件で逮捕されたアンデルソン・ドス・サントス容疑者とクンビッカの事件で逮捕されたマルセロ・フェラス・ダ・シウヴァ容疑者は、17年に起きたサンパウロ州タモイオス道での現金輸送車襲撃事件に関与していたとされる。
 昨年行われた家宅捜索で得たDNA情報は、アンデルソン容疑者が16年にサンパウロ州サントスで起きたプロセグル社襲撃事件に関与していた事も示唆している。
 サンパウロ州市警組織犯罪捜査課のペドロ・イヴォ・コレア警部は、近年の大型犯罪は、唯一の首領が統率する犯罪組織による犯罪から、互いに連絡を取り合い、作戦を立案、役割を分担しあうという形に変化しているという。