世界保健機関(WHO)が24日、新型コロナウイルスに関し、世界各国は「世界的流行(パンデミック)への準備段階」に入るべきだと述べる一方、現時点ではまだパンデミックと宣言するのは時期尚早だとした。
世界中の多くの地域で人から人への感染が起こるのがパンデミックだが、このところ続く感染や死者の報道はまだ、「大流行(アウトブレイク)」であり、「パンデミック」ではないのだという。
それをいえば、韓国での患者急増やイタリアでの死者が右肩上がりで増えている事などは、両国がより詳細に調べようとしているからこそで、日本にはそのような真摯な姿勢が見えないとの声も気にかかる。
日本の患者数はクルーズ船で発生した患者数とは別々に発表されているが、クルーズ船から下船した人の一部が国内外で発症している事などから見て、日本の封じ込め作戦は失敗したといえそうだ。
また、今後1~2週間の推移次第で、日本では患者が急増して医療機関が対応不能となる「医療崩壊」も起こり得るという。
各国での患者や死者増加を受け、ブラジルが警戒を要する国を8カ国に広げたのは21日。24日にはイタリアなど8カ国が追加されたが、25日にはイタリア滞在後、ブラジルに帰国した男性の感染が確認された(保健省の正式発表は26日)。
イタリアでの死者は26日の時点で12人に増えた上、欧州諸国には、冬休みにイタリア北部へ旅行した学生も多いというから、患者数はさらに増えそうだ。
世界では、クルーズ船航行中止、中国からの部品や製品の供給停止、株価急落などの経済的な影響も拡大中だ。
ブラジルでも患者数が増える可能性は大だ。まずは冷静な対応と手洗いなどの自己防衛が第一だが、その後は? (み)
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