21日夜、サンパウロ市カーニバルの一番手で行進した「バロッカ・ゾナ・スル」には、10年以上も毎年出場する葛西叙江さん(埼玉県)と、彼女のサンバ・ストレッチ・筋力トレーニング教室の生徒ら約50人が参加した。
葛西さんは花形ダンサーの一つデスタッキを演じ、「今年も直前の衣装受け渡しで慌てたが、全員で参加でき、山車や演出、楽曲も良かった。ブラジル人のカーニバルにかける情熱、サンバの奥深さ、かっこよさにひかれて毎年参加している」と達成感をにじませた。
バロッカ・ゾナ・スルのテーマは、18世紀にマット・グロッソ州の黒人奴隷の集落で、礼儀正しく優れた統率力で奴隷や女性の解放に尽力し、集落のリーダー的存在を果たした女性、テレーザ・デ・バンゲイラだ。
パレード初参加という駐在員の吉田美記さん(34、東京都)は興奮冷めやらぬ様子。「一瞬で終わってしまった。強い女性リーダーがテーマと聞き、力強く踊った」と笑顔を見せた。
駐在員の中村トミーさん(28、大阪府)も、ブラジルのカーニバルを2回見たことがあるが参加は初めて。「これほど注目を浴びることはない。夢中になって楽しんだ」と話した。
同日3番目の「ドラゴンエス・ダ・レアル」には、旅行会社トレンディ・ツーリズモ(関根いつ子社長)の日本人ツアー参加者が出場。
今回パレード初参加の成田祐香さん(29、東京都)は「日本で浅草サンバカーニバルを見たことがあるが、見ると出るとでは大きく違った。心臓がドキドキした」と楽しんだ様子。
同日5番目には、サンパウロ州アチバイアの発展の歴史を表現した「アカデミコス・ド・タトゥアペー」のパレードが行われた。同地名産の花卉やイチゴの産業に貢献した日本移民をたたえ、鳥居や招き猫などが盛り込まれた山車も登場した。
同地で和太鼓演奏活動を行う青山淳さん(30、二世)らが山車で和太鼓を叩いた。青山さんは「共に出場したダンサー、スタッフ、観客の全体から迫力、エネルギーを感じた。ただにぎやかな祭りというだけでなく、一年かけて作り上げている思いを感じた」と出場の様子を述べた。
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