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サンパウロ州海岸部=集中豪雨で12人の死者=救出作業中の消防士も殉職

グアルジャー市の土砂崩れの現場(マカコの丘、3日付G1サイトの記事の一部)

 サンパウロ州バイシャーダ・サンチスタ地区が2~3日に集中豪雨に見舞われ、3日午後0時40分現在で、死者12人、行方不明者46人という惨状になっていると3日付現地紙サイトが報じた。
 2日からの雨は12時間で100ミリを超える強いもので、サンヴィセンテとグアルジャー、サントスでは死者も出た。
 人的被害が最も大きいのはグアルジャー市で、ヴァウテル・スマン市長が被災地域を上空視察した上、緊急事態を宣言。3日未明に起きた土砂崩れは7カ所に及び、3日昼過ぎの段階で、死者6人、行方不明32人と報告されている。
 特に深刻なのはベラ・ヴィスタ区のマカコ・モリャードの丘で、未明に起きた土砂崩れで、倒壊家屋にいた母親と赤ん坊が死亡。救出活動中だった消防士も1人、新たに起きた土砂崩れに巻き込まれて殉職した。救出作業中の消防士と手伝っていた男性ら計4人が行方不明となっている。
 ジャルジン・センテナリオ区でも2人が死亡、ヴィラ・バイアナ区では、一旦救助された女性が病院で息を引き取った他、28人が行方不明となっている。
 サンヴィセンテ市でも、バルボーザスの丘、イーリャ・ポルシャト、パルケ・プライニャで土砂崩れが起き、3人が死亡。土砂崩れに気づき、家から出ようとした夫妻が、濁流にのまれて行方不明になった。ヴィラ・ヴァレンサ区では高齢者専門の医療施設の床が崩れ、男性1人が行方不明となった。残りの収容者は、社会福祉局の手で避難所に移された。同市のペドロ・ゴウヴェア市長も非常事態を宣言した。
 サントス市も似通った状況で、3日朝までに救急車が搬送した負傷者は7人。内、テテウの丘で起きた土砂崩れで負傷した30歳女性は助からなかった。残り6人中、5人は骨折などを起こして入院中。入院中の7歳女児の母親で軽傷だった女性には退院許可が出た。同市でも行方不明者が11人出ている。
 降り始めから12時間の雨量は、グアルジャーの282ミリ、サントスの218ミリを筆頭に、軒並み100ミリを超えている。また、海岸部を繋ぐ道路や海岸部に向かう道路は一部、倒木や土砂崩れで通行止めとなっている。
 なお、2月29日からの雨で4人の死者が出ていたリオ州では、2日も雨が降り、新たな被害が出た。また、行方不明者の遺体が見つかり、死者数5人に増えた。