リオ市にある、保健省管轄の研究機関、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)は4日、各州で新型コロナウイルス(COVID―19)の検査を担当する研究所向けの診断キットの配布を始めた。
ブラジルではこれまで、コロナウイルスへの感染の有無の検査は、Fiocruzと、サンパウロ州、パラー州、ゴイアス州の3州の研究所だけが行っていた。
診断キットは、Fiocruz内の免疫生物学研究所(Bio―Manguinhos)と、パラナ州の分子生物学研究所(IBMP)によって開発された。
新たなキットを使った診断方法の指導は、Fiocruz内のオズワルド・クルス研究所呼吸器系ウイルスおよび麻疹研究所が行う。
ブラジルでは、2月26日に最初の症例が確認されたのに続き、同月29日にも2例目が確認され、国内でコロナウイルスが広がる可能性があると予想されたため、今週からキットの生産が開始されていた。
Fiocruzは1週間で2万5千~3万キットを作成する能力がある。「1週間に2万5千~3万」は、保健省が要求しているペースだ。
今後2週間で、ブラジル北部のアマゾナス州、パラー州、ロライマ州、北東部のバイーア州、セアラー州、ペルナンブッコ州、セルジッペ州、南東部のリオ州、エスピリトサント州、ミナス・ジェライス州、中西部の連邦直轄区、マット・グロッソ州、南部のパラナ州、サンタカタリーナ州、リオ・グランデ・ド・スル州が、判定キットを受け取り、使用法の訓練を受ける。これらの州では、20日以内にテストを行えるようになる見込みだ。
Fiocruzは、既にコロナ判定試験を行っている、サンパウロ州のアドルフォ・ルッツ研究所、パラー州のエヴァンドロ・シャガス研究所、ゴイアス州の公衆衛生中央研究所の専門家たちとコロナウイルスの感染検査方法をすでに共有していた。
Fiocruzでは、ラテンアメリカ諸国9カ国からの代表者も、コロナウイルス感染検査方法の訓練を受けている。このトレーニングは、世界保健機関(WHO)のアメリカ地域事務局である、パンアメリカン保健機関(PAHO・本部ワシントンDC)の要請に応じて行われた。
なお、ブラジル保健省は4日午後、ブラジルで3例目のコロナウイルス感染者が確認され、4人目が確認検査中と発表した。(4日付アジェンシア・ブラジル、BBCブラジルサイトより)