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《ブラジル》両院合同会議=大統領の拒否権一部承認=190億レアルは1下議が裁量握る

 【既報関連】連邦議会は昨年、各種の割当金の内、300億レアルを、連邦予算基本法(LDO)報告官であるドミンゴス・ネット下議(社会民主党・PSD)の采配下に置くことを決めた。それに対し、ボルソナロ大統領が拒否権を行使していた件で、連邦議会は4日に行った採決で、ドミンゴス下議が割り振りを決められる予算額を190億レアルとすることを承認したと、5日付現地各紙が報じた。
 ドミンゴス下議が割りふれる190億レアルには、15億レアルの予備予算も含まれている。
 ボルソナロ大統領が拒否した項目をそのまま維持するか否かを問う下院採決では、拒否を残すに賛成が398票、反対が2票だったため、上院投票は行われなかった
 ボルソナロ大統領は300億レアルの裁量権を全て取り戻したかった。だが、税制改革や行政改革を行には、議会の協力が欠かせないため、190億レアルの裁量権を議会に譲ることで合意。議会側も一定の満足を示した。
 政局調整担当のルイス・エドゥアルド・ラモス大統領府秘書室長官は、「下院採決で大統領拒否への賛成票が398も集まったことは、政府と議会が同じ方向を向いていることの証だ」とツイートした。
 4日の両院合同会議では、大統領が行った拒否のいくつかが再度拒否され、地理統計院(IBGE)やオズワルド・クルス研究院(Fiocruz)、農牧調査研究公社(Embrapa)、応用経済調査院(Ipea)などの諸機関を含む、6分野では連邦政府が予算の払い出しを拒否することが禁止された。