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《ブラジル》ボルソナロ三男=側近が虚偽情報サイトの利用者=利用登録のアドレスが一致=下議停職1年の処分も受ける

エドゥアルド下議(Agencia Brasil)

 フェイクニュース(虚報)に関する両院調査委員会(CPMI)が入手した資料により、大統領三男のエドゥアルド・ボルソナロ下議(社会自由党・PSL)の側近が、下院のコンピューターとメールアドレスを使って、政敵を攻撃するためのサイトを開設、利用していたことが発覚した。4、5日付現地紙、サイトが報じている。
 問題のサイトは「ボウソフェイオス」というインスタグラムで、ジャーナリストや最高裁判事、ロドリゴ・マイア下院議長ら、ボルソナロ一家の政敵と見られる人物を、虚偽情報を交えて批判していたもののひとつだ。
 このインスタグラム開設の際に使われたメールアドレスが、エドゥアルド下議の側近のエドゥアルド・ギマリャンエス氏のものだったことは、インスタグラムも運営するフェイスブックから、CPMIに報告された。
 同氏が使ったメールアドレスはeduardo.gabinetsp@gmail.comで、これはエドゥアルド下議が公費で旅行する際、航空券の購入やホテルの予約などに使われるアドレスと同じものだ。
 この件は4日、ネット大手UOLのニュースサイトで報じられた。同日のジョルナル・ナシオナルは、サイト開設時に使われた携帯電話の番号がギマリャンエス氏のものであったことも報じた。ボウソフェイオスは報道後すぐに削除された。
 この疑惑は、昨年12月のCPMIで、エドゥアルド下議と対立関係にあるジョイセ・ハッセルマン下議が、エドゥアルド下議や大統領次男のカルロス氏らがネット内で虚報を撒き散らす「デジタル・ミリシアとして機能していた」と糾弾したことで表面化。その際にギマリャンエス氏とボウソフェイオスのことにも言及していた。
 このジョイセ氏の主張を受け、トゥーリオ・ガデーリャ下議がインスタグラムの運営元にボウソフェイオスの情報公開を求めたところ、今回の事実が発覚したという。
 ボウソフェイオスは、「ガビネッテ・デ・オジオ」と呼ばれるデジタル・ミリシアの一部だ。ガデーリャ下議によると、デジタル・ミリシアは、18年の大統領選のときだけではなく、現在も機能しているという。
 この報道が行われた前日の3日夜、マイア下院議長はエドァウルド氏をはじめとする、計12人の下議に対して1年間の議員活動停止処分を下している。これは、昨年10月に、エドゥアルド氏が造反劇でPSLの下院リーダーとなった際、同党党首のルシアノ・ビヴァール氏が「党に対する謀反を起こした」として、エドゥアルド下議擁立に加担した議員の停職を求めたのを受けたもので、一旦採用された後、暫定的に差し止められていた。これで、PSLの下院新リーダーはジョイセ氏となる。
 エドゥアルド氏は、15日に予定されている反連邦議会、反最高裁のデモを煽る発言をしたことでも問題となっている。