ミナス州コンフィンス市のベロ・オリゾンテ国際空港に9日午後、米国から強制送還されたブラジル人を乗せた飛行機が到着した。
今回の便は、昨年10月に始まった、飛行機による強制送還第8便で、42人が送り返された。6日の第7便では55人が送り返されており、昨年10月以降の強制送還者の合計は、約550人となっている。
米国から強制送還されるブラジル人は、トランプ大統領による移民政策変更と、ボルソナロ政権が米国の対応を認めた事で増加傾向にある。
6日に帰国したブラジル人達によると、子供がいる3家族以外は、搭乗前24時間と飛行機中はずっと、手と足に手錠をかけられた状態だったという。また、不法入国者として逮捕された後は空腹や寒さに悩まされ続けたという人が多く、到着後に提供された軽食で一息ついた人が多かった。
ブラジルは、連邦議会がブラジル人の強制送還に関する議会調査委員会が開設された後の2006年に、諸外国に対し、不法入国者であっても、チャーター機による強制送還は認めないとの通達を出していたが、この通達は完全に無視された形となってしまった。
ブラジルがチャーター機による、大量の強制送還を認めない事を決めたのは、該当国で生まれた子供がいる場合や家庭生活や仕事を確立している人などについて、強制送還措置を個別に分析し、必要なら覆したり出来るようにとの判断だったのだが、ボルソナロ政権は米国からの要請を受け入れ、国籍を記した紙1枚を持たせるだけで、大量に強制送還出来るようにしてしまった。チャーター機で帰国させれば、パスポートなどの書類の不備を追求される事もなく、航空会社による搭乗拒否も起きないからだ。
不法入国で逮捕されたブラジル人の数は、トランプ政権になってから急激に増えている。2018年10月~19年9月の逮捕者は1万7900人で、2017年10月~18年9月の1500人の約12倍だ。様々な国籍の人を総合すると、2019年に米国への不法入国を試みて逮捕された人はおよそ85万人に上ったという。(6、9日付G1サイトより)
タグ:ボルソナロ