国際女性デーの8日から9日にかけて、ブラジリアやサンパウロ市、リオ市で、男性至上主義や差別、暴力への反対などを掲げた女性によるデモが繰り広げられたと9日付現地紙、サイトが報じた。
国際女性デーは、米国で始まった女性の参政権を求めたデモがきっかけで、ロシア革命の発端となったともいわれる。この日は1975年に国連が公式に認定した。
3月8日に世界的なデモが行われるのは恒例行事となっており、ブラジルでも複数の市で男女平等などを謳ったデモが展開された。
ブラジリアでは8日朝9時から、約5千人が参加して、女性への暴力や男性至上主義、人種差別などに抗議するデモを実施。カーニバルの期間中もよく使われた「ノン・エ・ノン」の言葉で、家庭や路上で繰り返される男性から女性への暴行やいじめ(肉体的、精神的の両面を含む)を否定するグループも見られた。
首都では8~9日に、土地なし農民運動(MST)の女性全国闘争も組まれており、8日は朝7時から、9日も8時過ぎから、赤い服に身を固めた女性達によるデモが行われた。8日は性差別や労働者への差別、暴力などが中心だったが、9日は新政権になってから急速に進む新農薬承認への抗議が中心で、農務省の床に赤いペンキを撒き、空になった農薬の容器や国旗で覆われた棺を持ち込むといった形のプロテストも行われた。
サンパウロ市では8日、パウリスタ大通りからルーズベルト広場にかけて、女性殺人の増加も含めた女性への暴力や、国や州による社会制度改革承認への抗議などを掲げたデモが行われた。サンパウロ市でのデモでは、男性至上主義的発言や人種差別発言などが目立つボルソナロ大統領への抗議のプラカードなども見られた。
リオ市でのデモは9日に行われ、100以上の団体が参加。参加者達は一様に、女性への敬意や男女平等、民主主義擁護、暴力反対、法律で保障された権利の保護などを訴えた。
また、歌手のドナ・イヴォニ・ララ、サンビスタのベッチ・カルヴァーリョ、黒人女性闘士のダンダラ・ドス・パウマレス、2018年3月14日に殺されたマリエレ・フランコ市議らを顕彰する時も持った。
国際女性デーにちなむデモは、アマゾナス州マナウスやパラー州ベレンなどでも行われた。