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「日本とブラジルの懸け橋に」=静岡文芸大学生が県魅力発信=JHや県人会、USPで交流

JHで修了証を受け取るイノエさん、島田さん、下川原さん、野師本さん、羽賀さん(右から)

 「静岡の魅力を伝える親善大使だ」――今月6日、サンパウロ市のジャパン・ハウス(JH)で行われた静岡文化芸術大学(所在地=浜松市)の学生5人による静岡県紹介の後、同県出身の池田泰久(いけだやすひさ)在サンパウロ日本国総領事館副領事は、学生の健闘をそう称えた。彼らは静岡県庁・日本外務省・ブラジル静岡県人会が連携する「ブラジル青少年派遣事業」で選ばれ、派遣された。

 5人はいずれも国際交流や多文化共生に強い関心をもっており、この事業に応募した。在日ブラジル人が多い浜松市にある大学らしく、デカセギ子弟に日本語を教えるボランティア活動を行う学生もいる。
 文化政策学部国際文化学科のイノエ・デ・リマ・エドゥアルド・ダイキさん(4年、22)、野師本桃子さん(のしもとももこ22、4年)、羽賀詩生吏さん(はがしおり21、3年)、文化政策学部芸術文化学科の下川原李音さん(しもかわらりおん20、3年)、デザイン学部デザイン学科の島田愛理さん(20、2年)の5人だ。
 揃いの法被を身につつんだ彼らは、富士山・サッカー・グルメ・茶・祭りなど、様々な角度から県の魅力を英語で堂々と発表。それを日系三世のイノエさんがポ語通訳、サッカー部分のプレゼンも担当してブラジルとの共通点を提示し、来場者に県への親近感を持たせる内容となった。イノエさんの親族も駆けつけるなど約30人が熱心に聞き入った。

静岡県人会館での記念写真

 学生らは3月1日から12日までの間ブラジルに滞在し、JHでインターン体験やサンパウロ市内の文化施設を訪問。サンパウロ州立総合大学やのびる学園の生徒との交流を通じ知見を広げた。
 羽賀さんは「日本を好きになってもらうことの重要性を痛感した。これはお金ではできない」と語り、今回の研修を通じて文化発信の重要性を実感したという。

プレゼンの様子

 野師本さんは大学卒業後、オーストラリアのグリフィス大学院に進学予定。国際ビジネスを専攻する。イノエさんは帰国後に就職活動を開始予定で「言語能力をいかした仕事に就きたい。JHを見て文化施設もいいなと思いました」と将来の希望を語った。
 下川原李音さんは「県人会の皆さんが毎月集まっていると聞き、絆の強さに感心した」、島田愛理さんも「言葉を超えた交流が出来た」と研修の手応えを感じていた。


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 「ブラジル青少年派遣事業」で12日間にわたりサンパウロ市に滞在した静岡文化芸術大学の学生5人。50人以上も集まった県人会との交流会では、お好み焼き作りと日本茶の淹れ方を実演した。お茶の実演では、お湯の温度によって甘みや苦味が変化すると解説。また「手返し」という傾けた急須を時折に戻す所作が多いほど苦くなると説明すると、会場から多くの「へぇー」と感心する声が湧いた。当地側からは県人会がシュラスコを作ってもてなし、川崎エレナ副会長の招きでソニー駐在員の谷川大和さん(46)、眞希さん(44)、希和さん(12)、眞和さん(6)家族も参加してブリガデイロの作り方を教えた。せっかく料理を教えてもらうなら、県連日本祭りでも出せそうな静岡名物の料理を教えてもらえると、更に実りがあるかも。