世界保健機関(WHO)が11日に新型コロナウイルス、パンデミック(世界流行)宣言を出したことを受け、ブラジルの首都ブラジリアがある連邦直轄区(DF)のイバナイス・ロシャ知事は11日、翌12日から5日間にわたる休校措置を発表した。12日は、休校措置を知らずに登校してきた、一部の生徒、学生を除き、大部分は学校に姿を見せなかった。
DFは、ブラジル全土に26ある「州」と同様の行政単位で、国全体を当地する連邦政府からはは独立した、直轄区を統治する政府が存在する。
今回の措置はそのDF政府が独自に決めたことで、公立と私立の学校が対象となっている。この措置は、ブラジル国内の他の州には一切影響しない。
一部の学校の職員によると、休校措置を知らずに早く到着した少数の学生、生徒は、本当に授業がないのかと、職員たちに確かめに来たという。彼らは本当に授業がないと知らされると、そのまま帰宅した。 ブラジリアの公立校エレファンテ・ブランコ校のイヴァン・バロス校長は、「インターネットとマスメディアは、授業中断を全員に知らせるという意味で、多くの助けになった」と言った。
バロス校長は、休校措置を支持するとし、その理由として「DFの感染状況を正確に把握できる」ことと、「授業が再開された後に学校のスタッフが感染予防のためにどんな行動をとればよいか、学校のスタッフに周知できる」ことを挙げた。
「授業の遅れが心配にならないか」との質問には、「5日間といっても、土曜、日曜をはさむので、授業が行えないのは3日間だけ、この程度の遅れなら余裕を持って取り戻せる。休校措置が15日などになった場合は、カリキュラムの消化が多少厳しくなるが」と答えた。
同校長は、「休校措置で、コロナウイルス感染症(COVID―19)に限らず、その他の風邪、インフルエンザなどが子供たちの間に蔓延することを防ぐことが出来る。また、そうすることで、医療従事者がCOVID―19の感染拡大を抑えることに力を集中できる」とも評価した。
また、サンパウロにある私立のパウリスタ総合大学(Unip)は、SNSを使用して、1万2千人の学生に12日は授業がないことを通知した。同大のジルベルト・ブリヒ学長によると、同校では、授業の中断期間中、オンライン授業を行うことを検討しているという。
なお、ロシャ知事は、州政府の許可が必要で、100人以上の人が参加するイベントの開催中止も命じている。
休校措置とイベントの開催中止措置は、状況を見て、さらに5日間延長される可能性がある。(12日付アジェンシア・ブラジルより)