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「人類へのしっぺ返しが新型肺炎」=生長の家総裁法燈継承記念式典=初の非日系理事長が就任

91の数字のロウソクを立てたケーキの前で誕生日の歌を歌う幹部の皆さん

 生長の家ブラジル伝道本部(ジョゼ・アダウトン・デ・オリベイラ理事長)の「立教91年記念日・生長の家総裁法燈継承記念式典」が10日午前9時から、サンパウロ市ジャバクアラ区の本部貴賓室で開催され、約1千人が節目を祝った。
 最初にブラジル国歌が盛大に唱和され、生長の家の活動紹介ビデオを上映、オリベイラ理事長が「若き谷口雅春師は1930年3月1日、当時の収入の7割を投じて雑誌『生長の家』を創刊し、人類光明化運動を始めた。その夢が移民によって伝えられ、ここに世界最大の日系社会が作られ、ブラジルは『第二の祖国』となった。ブラジル社会を改善する使命を持ち、人々を癒し続けている」と力強く演説した。
 体験談発表にはロジェリオ・デ・オリベイラ・ロドリゲス講師が立ち、「私はファベーラ(貧民窟)のあばら家で生まれ育ち、いつも食べ物や家賃に困っていた。父はバールに入り浸って賭け事やアルコール漬けで、ボクはとても憎んでいた。12歳でピザの配達員として働きはじめると、父はその給料の半分を取り上げ、かけ事に投じた。ボクは何度も怒ったが、母が仲裁に入った。入信していた親戚から生長の家の雑誌を渡され、それから通うになり人生が変わった」と語り始めた。
 研修会で合宿する中で父に対する嫌悪が薄れ、初めて父に謝る気持ちが生まれ、実際に口にすると、家族関係が一気に変わったと激白。青年部長になり、夢だったが大学法学部への入学が叶い、今では司法界に職業に就くことができたと語り、大きな喝采を浴びた。
 来賓の羽藤ジョルジ市議が挨拶した後、谷口雅宣総裁のビデオメッセージが45分に渡って、ポ語の吹き替えで上映された。世界を震撼させている新型肺炎についての考察が述べられ、「人類が自然に対して行ってきた凶暴な仕打ちに対する、自然からの仕返しがこのウイルスだ。ただ単にウイルスを退治しても問題は解決しない。人間と自然との関係自体を正す必要がある」と訴えた。
 続いて西山文雄ラテン・アメリカ教化総長から海外向け最高賞の海外二重光輪賞がフィロメナ・ガメロ・ガブリエリ氏、海外光輪賞が原田マリア千代子ら7氏、海外布教功労賞が古川信夫ら7氏に授与された。

新理事長就任祝賀会で、拍手と花で顕彰された向井芳夫前理事長(中央)

 最後に91のロウソクが立ったケーキをカットして閉幕した。その後、別館に移って新理事長就任祝賀会となり、約120人がビーガン(菜食)料理のブッフェを堪能した。西山ラ米強化総長は「ブラジル伝道本部は常に日系人の理事長が担ってきたが、生長の家は新しい段階に入った。新理事長のもとラ米はもちろん、アフリカ、欧州にもさらに拡大発展する」と語り、向井芳夫前理事長(86、二世)に記念品を渡して、会場の全員が立ち上がって拍手で感謝した。
 1963年に谷口雅春総裁から直接に研修を受けて初めてブラジル国籍者の講師となった下本八郎元サンパウロ州議は、「ここはブラジルだから、非日系理事長が生まれるのは良いこと。活躍が楽しみ」と語った。

伝道本部の新中央理事会

 【理事長】ジョゼ・アダウトン・デ・オリベイラ【副理事長】ロメウ・パセ・フィーリョ、税田清七【理事】ジャイロ・オリベイラ・サンタナ、マリオ・トシアキ・ヨコヤマ、アニヴァル・フェレイラ・デ・リマ・ネット、アデイルド・パウリノ、フェルナンド・ビアンキ・ルフィノ、ジョルジ・ウエモト・ジュニオル、エドウアルド・ジョゼ・デ・カストロ、ジョアン・リカルド・ヴィアナ・コスタ、トモヒコ・オタ、フランキ・ジュニオル・ミヨシ・アリモリ、クレイア・ヴィセンチナ・デ・フレイタス・シルバ、ジャイメ・ネリ・フェレイラ、ジョセリ・アンドレウセッチ・マエダ、アルツール・マサキ・カナダ


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 立教91年記念日式典で、日語組織代表の高橋カツミ・カルロス講師も体験発表した。父が農業で失敗して大きな借金を作り、それを返済するために家族で日本にデカセギに行った。ところが父の脳に腫瘍が見つかって手術したが、高橋さんが16歳の時に死んだという。家族を養うために中卒で仕事を始めたが信仰を捨てず、ブラジルに何とか戻って日系企業に就職し、日本語を活かせる職業に就けて幸せになったと報告した。
    ◎
 生長の家式典を取材していて、谷口雅宣総裁のビデオメッセージ(45分)の部分が少し浮いている様で残念に感じた。せっかくそれまでは感動的で身近な体験談や新理事長の力の入った講話で感情的に盛り上がっていたのに、そこだけ大学の難しい講義を聞いている感じになっていた。語り口が平板で理性的な内容が多く、ラテン系の人間が聞いて「面白い」と感じるパンチがうすい。せっかくビデオ講演をするなら、日本人向けの講演とは別に、ラテン系の人が感動するような躍動感のある外国人向け講演を別収録したら、もっとブラジル人信者が惹きつけられるのでは。