ボルソナロ氏の大統領選当選を可能にした立役者の一人だが、大統領次男でリオ市議のカルロス氏との確執などで大統領府総務室長官を更迭されたグスターヴォ・ベビアノ氏(56、民主社会党・PSDB)が、14日に急逝したと15、16日付現地紙が報じた。
ベビアノ氏は、社会自由党(PSL)創設者のルシアノ・ビヴァル氏の休職時に党首を務め、大統領選への公認直前まで所属政党が決まらずにいたボルソナロ氏を受け入れて出馬を可能にした上、選挙中も、汚職撲滅を叫ぶなどしてボルソナロ氏を支え続けた。
その功績を買われ、新政権発足時には大統領府総務室長官として入閣したが、統一選時に選挙資金の割り振りを指揮していたため、PSLが名ばかりの候補者を擁立し、選挙資金を不正に受領したとの疑惑の責任を問われたりして、長官就任からわずか49日間で更迭された。
いわれのない批判の的にされ、長官職も解任されたベビアノ氏は、PSLを離党。ボルソナロ大統領や息子達を批判する側に立った。正式公認はまだだったが、10月のリオ市市長選にはPSDBの候補として出馬する事も決まっていた。
だが、ベビアノ氏の心の傷は癒えておらず、リオ州山間部テレゾポリスにある農園で過ごしていた14日未明、心筋梗塞を起こし、病院に運ばれたが、他界した。
市長選での討論などをリードすると期待されていたベビアノ氏の早過ぎる死に、PSDBリオ州支部長のパウロ・マリーニョ氏は「彼は悲しみ故に逝った」と嘆いた。15日に公開された大統領宛ての手紙には、「1度として大統領を裏切った事はなかった」などと書かれていたが、大統領は同氏の死について、何もコメントしていない。
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