【既報関連】2月26日に国内初の新型コロナウイルスへの感染者が確認されて以来、16日で20日が過ぎたが、感染拡大は止まらず、対策本部を設置したりして、具体的な対策を検討、発表する州が出始めたと14~16日付現地紙、サイトが報じている。
サンパウロ州やリオ州では12日頃から、外国旅行者やそれらの人と接触した人といった枠では感染経路特定が不能な感染者も確認され始めており、感染の拡大阻止が困難になりつつある。新型コロナウイルスのようなウイルス感染は、「輸入型感染」後、感染者との接触による「域内感染」が起き始め、その後、感染経路がつかめないケースが増える。
国外からの旅行者の入国時や外国旅行者の帰国時の検査は感染発生そのものを封じ込める対策だが、現在は、流行地域への渡航歴があり、発熱や呼吸困難などの症状がある人だけに焦点をあてた検査では感染者が捕らえきれない状態に入った。
特に、サンパウロ州のように、関係経路が特定出来ない感染者も含めた感染者が15日現在で136人、擬似症患者は1125人といった州では、患者急増で医療機関が対応しきれなくなる可能性があるため、相次いで緊急対策を発表している。
サンパウロ州のジョアン・ドリア知事は15日夜、60歳以上の州公務員は自宅勤務とする、不特定多数の人が集まる博物館や文化センター、図書館、劇場などは30日間、高齢者収容施設は60日間閉鎖という緊急対策を発表した。同知事はその前にも、高等教育機関は16日から、初等教育機関も23日から休校とするという措置を発表済みだ。急な措置で対応に戸惑う保護者もいるが、州内では複数の市が休校措置を採る事を表明している。
様々なレベルの学校の休校措置は連邦直轄区が最初にとった。一部の専門家は、両親が働いている家庭は祖父母が子供の面倒を見なくてはならなくなり、高齢者が感染する危険度が増すと懸念しているが、パラナ、エスピリトサント、サンタカタリーナ、ミナスなどの州でも、大学など、複数の教育機関が16日か17日から休校措置を導入または導入検討中だ。
なお、保健省の発表によると、午後4時現在の感染者数は34人増えて234人、擬似症患者は2064人、検査で感染が否定された人は1624人となっている。