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《ブラジル》196年の憲政史上初、遠隔会議システムを使っての審議採決=電話で賛成を宣言した議員も

ビデオ会議システムを使って行われた、上院本会議の審議と採決の様子(Jane de Araujo/Agencia Senado)

 ブラジル連邦上院は20日、196年のブラジル憲政史上初となる、遠隔投票により、政府による緊急事態宣言(カラミダージ・プブリカ)を承認した。 
 満場一致で承認されたこの宣言は、既に下院で承認されていたため、官報に記載され、即日の発効となった。
 ダヴィ・アルコルンブレ上院議長(民主党・DEM)と、ネルシーニョ・トラド上議(社会民主党・PSD)、プリスコ・ベゼーラ上議(民主労働党・PDT)がコロナウイルスに感染し、隔離措置となっていたため、また、本会議場では、全ての議員同士の距離を1メートル以上空けることが困難なため、本会議場に議員たちが集合することはなく、審議はビデオ会議、投票もカメラに一人一人宣言する形で行われた。採決には上議総勢81人中、75人が参加し、全員が緊急事態宣言に賛成した。
 欠席した6人の議員の内、3人はシステム不良で投票できなかった。
 また、アルコルンブレ議長に代わって議事進行を務めたアントニオ・アナスタジア第1副議長(PSD)も投票しなかった。
 緊急事態宣言の承認により、ボルソナロ政権は、今年の政府の基礎的財政収支の赤字額が、限度額の1241億レアルを超過しても責任は問われない。
 アナスタジア副議長と、報告官のウェベルトン・ロッシャ上議(PDT)は、ITエンジニアに囲まれ、上院議会の建物の隣にある、上院情報技術事務局(Prodasen)で、議事進行を行った。
 議事の開始時に多少音声トラブルがあったが、すぐに解決された。アナスタジア副議長は、準備がまだ100%ではなかったと各議員に説明。その後、出席議員たちが、賛成、反対を述べるために呼ばれた。
 また、投票を宣言する時にネット回線が不調で、電話で自分の票を宣言した議員も5人いた。
 政府によるカラミダージ・プブリカ承認要請は、下院でも先に承認されており、その時も全会一致だった。
 しかし、下院採決時の報告官オルランド・シウヴァ下議(ブラジル共産党・PCdoB)は、「政府に白紙の小切手を渡した訳ではない。これはいわば“特別小切手” で、使用には極めて重要な責任が伴う」と語っている。(20日付G1サイトより)