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《ブラジル》コロナウイルスの死者34人、感染者1891人に=全国でコミュニティ感染拡大=サンパウロ州ではクアレンテーナ適用

非常事態を宣言するサンパウロ州のドリア知事(GOVESP)

 【既報関連】感染経路が確定出来ないコミュニティ感染が広がり始めた事で、ブラジルの新型コロナウイルス感染者数が急激に増えている。特に増加が激しく、22日現在の死者が22人に達したサンパウロ州では、21日に非常事態宣言が行われ、24日からは商店などの営業規制が強化される。サンパウロ州とリオ州では23日も死者が増え、死者の総数は34人になったと21~23日付現地紙、サイトが報じた。
 2月26日に国内ならびにラ米初の感染者が確認され、20日後の3月16日には国内初の死者(確認は17日)も出たブラジルでは、20日に全国でコミュニティ感染が起きている事を認定。21日には、州保健局の集計で、翌22日は保健省の集計でも、全州で感染者確認となった。
 22日現在の感染確認者は保健省集計で1546人、州保健局集計で1604人で、サンパウロ州の631人を筆頭に、感染者が100人以上の州が四つある(サンパウロ州、リオ州、連邦直轄区、セアラ州)。
 特に深刻なのは、22日現在の全国の死者25人の内、22人が死亡したサンパウロ州だ。同州の感染者と死者は、経済や人の動きの中心であるサンパウロ市に集中している。
 特に気になるのは感染者と死者の急増ぶりで、感染確認者は22日だけで約180人増えた。また、20日現在で9人に達していた死者も、21日に6人、22日も7人増え、22人となった。
 21、22日の死者は男性7人、女性6人で、結核のキャリアで49歳の男性以外は、60歳以上、慢性疾患患者などの高リスクの人だった。
 サンパウロ州での感染者が急増し、死者が15人に達した時点で、ジョアン・ドリア知事は非常事態を宣言。市民の外出抑制のため、24日~4月7日に「検疫」の意味のクアレンテーナを適用する。 
 今回の措置は前回の感染拡大抑制策よりも厳しく、ペットショップも含む食品や薬品を扱う店、医療や交通、治安に関する機関、ガソリンスタンド、新聞販売店などの生活必需サービス以外は営業を停止。前回は営業が認められたレストランやバールなども、客と直接接触しないデリバリ以外は停止となる。
 また、農業生産や車の修理、製造業、輸送業、テレマーケティングなど、日常生活維持に不可欠なサービスを提供し、顧客と接触しない部門や活動は継続出来るが、展示・イベント類は一切停止。公立・私立の学校の休校措置も継続される。
 また、19日にシダーデ・デ・デウスで感染者が確認され、感染確認が困難なファヴェイラでの感染拡大が懸念されているリオ市なども、生活必需のサービスを提供する店以外は営業を停止などの措置導入を決めた。
 なお、保健省発表による23日午後4時現在の感染者数は1891人で、死者は34人(聖州30人、リオ州4人)となっている。