ブラジル中銀は26日、今年のブラジルの国内総生産(GDP)成長率予測を0%と発表。3カ月前の2・2%予想から、大幅減となった。
GDP成長率予測大幅減の要因は、パンデミック(世界的大流行)となった、新型コロナウイルス災禍だ。コロナウイルスのせいで世界中で経済の動きがストップし、失業者も急増している。
中銀発表の文書には、「ブラジルを含む世界経済は、コロナウイルスの世界的大流行のせいで、先行き不透明感が増した。経済活動は減速し、コモディティ価格が下落、金融市場も一層不確実になった」と書かれていた。
中銀は「ゼロ成長」と予測したが、ブラジル国内の他の金融機関には、もっと厳しい見方で、マイナス成長を予測している機関もある。
新型コロナウイルスの影響が増すにつれ、連邦政府は医療サービスを守り、景気と雇用への影響を抑えるための政策を発表し続けている。
12日 年金や恩給受給者の年末ボーナスの半分の前払いと、年金受給者の生存証明義務の期日延長などを発表。
16日 社会統合基金と公務員財形計画(PIS/Pasep)から引き落としされず、休眠状態だった資金215億レアルを、より引き出しニーズの高い、勤続期間保障基金(FGTS)に移すこと、年金、恩給受給者の年末ボーナスの残りの半分の前払い、生活扶助(ボウサ・ファミリア)31億レアル追加、雇用主によるFGTSの積立を3カ月まで先延ばしすることを認めることなどを発表。
18日 非正規雇用の労働者に3カ月間、月額200レアルのバウチャー(商品券)を配布する事を発表。
19日、コロナウイルス感染症で欠勤する労働者への最初の15日間分の給与保障、および、給与が法定最低賃金2倍以下で時短労働&賃金削減の影響を受ける労働者に失業保険の25%(250レアル以上)の援助を支払うことを発表。
23日 地方自治体(州や市)の健康基金に858億レアル以上の援助を行うと発表。
当初は国民に支払われるべきお金の支払日を前倒ししたりするだけで、思い切った財政出動には踏み切れなかったが、非常事態宣言(カラミダージ・プブリカ)が承認されたことで、財政赤字拡大に前よりは神経を使わなくてよくなったことから、追加歳出も認めている。
最近では一部輸入医薬品への免税措置なども取られているが、これも最終的には政府の歳入減で、プライマリーバランスへの影響は避けられない。(26日付G1サイトより)