ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》コロナ災禍拡大=「感染保護具、石鹸さえもない」現場から悲鳴=国内感染者は4579人=死者も15州159人に

《ブラジル》コロナ災禍拡大=「感染保護具、石鹸さえもない」現場から悲鳴=国内感染者は4579人=死者も15州159人に

サンパウロ市パカエンブー競技場に建てられた巨大な野戦病院(GOVESP)

 【既報関連】新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)の拡大は続き、ブラジリア時間30日午後5時現在のブラジル国内の感染者数は4579人、死亡者数は159人に達した。同日付各伯字サイトが報じている。
 感染者が確認されていない州は一つもない。また、28~30日には、ピアウイ州、バイーア州、連邦直轄区(DF)、マラニョン州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州、ミナス州でも、州として初の死者が確認された。これで、死者が確認された州の数は15になった。
 30日付G1サイトによると、ブラジル医師協会(AMB)と連邦看護評議会(Cofen)からは、現場での医療用資材不足などを訴える苦情が過去2週間だけで5千件近く出ている。苦情は国内全州から出ており、公立病院、私立病院の別を問わない。病院によっては石鹸さえないところもある。
 医療現場の困窮を訴えているのは、医師や看護師、その他の医療専門家たちで、2次感染を予防するための保護具も不足し、本来なら感染防止用具としてはふさわしくない素材のものを使用せざるを得なくなっているという。
 ある医療従事者は、「医療用手袋は不足し、防水前掛けもほとんどない。医療用マスクN95に至っては皆無。状況は絶望的だ」と語り、別の告発者は、「DFの病院にはマスク、アルコールジェル、医療用防護服が足りない」と語る。
 リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレやトカンチンス州アラグアイナなどでは先週、医療従事者が医療環境改善を求めるデモも発生した。
 G1サイトはさらに、COVIDー19治療の最前線の一つである、リオ州の集中治療室(ICU)の生々しい様子も伝えた。リオ州保健局長のエドマール・サントス氏は、「ICUに入った患者の生存確率はほとんど50%だ。リオ州では24時間足らずで何人もが亡くなった」と語った。同州は現在は154床しかないCOVIDー19専用のICU病床を、5月までに660床に増やす予定だ。
 コロナウイルスとの戦いにおけるポイントの一つは、急増する患者に対応し、患者を隔離できるよう、病床数を増やすことだ。
 そのため、サンパウロ市ではパカエンブー競技場やアニェンビのコンベンションセンターに臨時病院を建設している。
 同様の動きは各州でも起きている。セアラー州都フォルタレーザやロライマ州都ボア・ヴィスタでも、サッカー場の敷地内に臨時病院を建設中だ。リオ市でも、マラカナン・スタジアムやバーラ・ダ・チジュッカ地区にある会議場、リオセントロにも病院が建設されている。
 30日午後5時付の各州保健局発表のまとめでは、ブラジル国内のCOVIDー19感染者は4579人、死亡者は15州で159人だった。