【既報関連】ブラジル国内の新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)の感染拡大は止まらず、6日午後4時半過ぎの保健省の発表では、感染者は、1万2056人、死者の数は553人となった。各州の取り組みも含め、6日付現地各サイトが報じている。
ブラジル北東部9州の連合機関コンソルシオ・ノルデステの科学委員会コーディーネーターのミゲル・ニコレリス博士は、「社会隔離政策を最優先すべき。冬に入れば、COVIDー19だけでなくインフルエンザも流行するし、デング熱、チクングニア熱への対策も必要だ」と語った。
サンパウロ州知事のジョアン・ドリア氏は6日昼過ぎ、当初は7日までとしていた外出自粛令を2週間延長して、22日までとすると発表した。サンパウロ州は感染者数、死者数共に突出(5日現在の感染者4620人、死者275人)しているが、同知事は、外出自粛を行っていなければ感染者は10倍に達していたと見ている。
外出自粛令の延長により、病院、薬局、スーパーマーケットその他、社会活動維持のために本質的に必要な業種以外は営業停止が続く。バールやレストラン、カフェ(デリバリー、ドライブスルーを除く)、ショッピングセンター、パーティー会場、公立・私立校などは閉鎖となる。
3日に保健省が発表した感染症速報によると、サンパウロ州、セアラー、リオ、アマゾナスの4州と連邦直轄区(DF)は、10万人あたりの感染者数(感染率)が4・3を超えており、感染加速段階(流行状態)に移行した可能性が強いという。DFの感染率は13・2、サンパウロ州は9・7、他の3州は、6・8~6・2だ。
保健省管轄の研究機関オズワルド・クルス財団(Fiocruz)と、バイア連邦大学(UFBA)のプロジェクトであるRede CoVidaの研究者たちは5日、セアラー州は国内27州中一番早く、25日に感染のピークを迎えるとの報告書を発表した。同プロジェクトでは、8日のセアラー州の感染者は3千人超に達し、2800人超と見られるリオ州を抜くと予測している。同報告書では、8日の国内の感染者は約2万1千人、死者は500人超と予測されている。
リオ州の5日現在の感染者は1394人、死者は64人で、大半を占めるリオ市の感染者は1068人に達している。
リオ市の感染者はバーラ・ダ・チジュッカやレブロン、コパカバーナ、イパネマなど、富裕層の住む地域に集中しているが、市内最大のファヴェーラ、ロッシーニャでも最初の感染者が確認された。ファヴェーラでの感染は、ヴィガリオ・ジェラル、シダーデ・デ・デウス、アレモン、ヴィジガルなどでも確認されているが、こうした地域の住宅条件や衛生条件は劣悪なため、感染拡大は富裕層地域より速くなる懸念がある。
また、サンパウロ市では市内西部パカエンブー競技場に建てられた臨時病院が、6日朝から患者を受け入れ始めた。同病院には軽~中度の患者用ベッド200床と集中治療用ベッド8床があるが、外来診察は行わない。同病院には、市内の医療機関が自宅療養対象者より症状は重いが、既存の病院の集中治療室に入院させるほどではないと判断した患者が送られて来る。