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日伯友好病院=コロナ患者が殺到して満床=5階を専用に、人工呼吸器不足=ベッド空くまで暫定設備で対応

日伯友好病院の満床掲示

 「日伯友好病院では、1つの階を全てコロナ患者用に対応していますがすでに満床で、人工呼吸器も足りない状態です」――6日に前園マルセリーノ日伯援護協会事務次長に電話取材を行ったところ、このように現状を説明した。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、患者が殺到しているという。平常時なら同院の占床率は70〜80%ほど。通常でも満床の場合は他医院へ紹介する形をとっているが、「この状況では他の病院も満床なのではないでしょうか」と懸念した。

 院内にポルトガル語で「病床が満床」と赤字の掲示が出され、次のように書かれている。
《患者、同伴者の皆さま、コロナウイルスの関係で全ての病床が一杯になっています。
 当院は、拡張工事による業務拡大を図ったにも関わらず、本来の受け付け体制を上回る患者を受け入れております。重症者を含めて新しい患者の皆さまには、ベッドが空くまで、暫定的な受け入れ設備で対応させてもらっています。
 国全体において、医療従事者、医療消費材、医療設備が不足した困難な状況の中で、我々はできる限りの対応をし、良いサービスを求めて努力しております。
 患者の皆さまには、できる限り、医療保険が適応される他の医療施設を探すようにお願いします》

 友好病院に入院している患者のほとんどは非日系人で、サンパウロ市北部やグアルーリョス市などの近隣地域住民だという。コロナ感染検査はラボに注文する形で行う。前園さんは「検査するためのキットも足りていないと話に聞いています」と現場の切迫した状態を語った。
 またサンパウロ州政府主導でパカエンブー・スタジアムとアニェンビー国際展示場に、新型コロナウイルス罹患者用の臨時病院が建設された。パカエンブーでは既に受け入れが始まっており、「コロナウイルス罹患者で呼吸器などの必要がない中等症の患者が、そちらで受け入れるようになるのでは」と今後の動きについて話した。
 パカエンブーの臨時病院は6300平方メートルの面積を有し、わずか10日間で設置された。200床設置されており、うち8床は合併症がある患者のための集中治療室となっている。
 アニェンビーは1800床分設置予定で感染ピークに達する時期までに完成させるべく準備を進めている。臨時病院までフル稼働という事態にはならないでほしいところだ。