ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》新型コロナの感染1万3717人、死者667人=条件付き隔離政策緩和も=「一切家から出ていない」は国民の18%

《ブラジル》新型コロナの感染1万3717人、死者667人=条件付き隔離政策緩和も=「一切家から出ていない」は国民の18%

ブラジリアの地下鉄では消毒作業も行われている(参考画像・ Acacio Pinheiro/Ag. Brasília)

 【既報関連】ブラジル国内での新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の感染は広がり続け、7日午後5時すぎの時点での保健省の発表では、国内の感染者は、1万3717人、死者の数は667人となった。そんな中、保健省が来週から一部の市では条件付きで社会隔離政策の緩和を認める方針を示した。7日付現地各サイトが報じている。
 保健省は6日、病床の半分以上が空いており、患者対応能力に50%以上の余力がある市や州は、13日から社会隔離政策の制限を緩和することを認めると発表した。
 これにより、来週の時点で患者受け入れ能力に余力がある自治体は、広範囲社会隔離政策(DSA)から、選択的社会隔離政策(DSS)に移行する可能性がある。
 DSAとは、年齢や持病のあるなしなどの区別なく、原則的に全ての市民が外出自粛令の対象となる政策で、DSSは、60歳以上の高齢者や慢性疾患の患者など、新型コロナ感染症(COVID―19)にかかると命の危険性が高い市民(ハイリスクグループ)以外は自由に移動できるという政策だ。ブラジルでは現在、DSSを採用している自治体は一つもない。
 保健省の報告書では、国内では人工呼吸器の数も、呼吸理学療法やCOVID―19の重症患者の臨床管理能力を持つ医療専門家も不足していると指摘されている。
 また、ブラジル全体で見た場合、集中治療室および通常の入院用の病床も、COVID―19の感染爆発に対応できるほどは用意されていない。
 保健省は翌7日、国内のCOVID―19感染状況、取り組みとその効果を検証したレポートを発表。「ブラジルでは感染拡大を食い止めるため、社会隔離政策を主軸とする対策を講じているが、感染者はまだ数カ月間増え続ける」とした上で、流行のピークは4~5月だが、ウイルスの蔓延は9月中旬まで続くとの見通しを記している。
 レポートでは、「感染増加ペースを抑制し、医療現場の受け入れ能力を大幅に超えることがないようにすることと、経済的影響を最小限に抑えること、この二つを両立するため、社会隔離政策は取られている」と記述。マスクや挨拶の習慣に関しても、「アジア諸国ではマスクの使用は文化的に受け入れられているが、伯国ではそうではない。逆に、伯国では一般的な、抱擁や頬への軽いキスなどの挨拶はアジア諸国では見られない。こうした要因がCOVID―19の感染拡大に影響を与えている可能性がある」とした。
 また、7日付現地紙が報じた世論調査の結果によると、4%は外出自粛令に全く従っていない。出勤その他の目的で外出しているは24%で、完全に外出自粛令に従っているが18%、食料品や医薬品の購入など、必要不可欠の場合にのみ家を離れているは54%だった。
 コロナウイルスに対する警戒の度合いについての質問には、警戒しすぎが19%、心配しなさすぎが46%、警戒の度合いは適切が33%、分からないは2%だった。
 また、76%は「最も大事なのは人々が家に留まること」と答えたが、「外出自粛令を解いて欲しい」が18%、「分からない」が6%いた。