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《ブラジル》コロナ禍=人工呼吸器不足解消に皆が奔走=空軍機で運び、技師らが直す

修理の必要な人工呼吸器を運ぶ兵士と空軍機(国防省公式サイト)

 【既報関連】新型コロナウイルスの感染拡大で、重症患者用の人工呼吸器の需要が増える中、国防省と全国工業連合(CNI)が連携し、人工呼吸器を修理する動きを始めた。
 国防省とCNIの連係プレーは、メンテナンス不足などで使えなかった人工呼吸器を空軍機で運び、技師達が修理を行うという形で実現した。
 具体的なオペレーションは、6日午後4時にブラジリアを発った空軍機が、トカンチンス州とアマパー州でインフルエンザ予防接種ワクチンを下した後、7日未明に人工呼吸器をミナス州ベロ・オリゾンテに届けるという形で実現した。
 7日にミナス州に届いた人工呼吸器は、ブラジリアの軍病院にあった物5台とアマパー州州立病院にあった物13台だ。ミナス州工業連盟(Fiemg)技術開発センター(CTI)に運ばれた品は、Fiemgや全国産業職業訓練機関(Senai)などの技師やエンジニアなどが修理sる。CTIでは同州軍警が州内で集めた人工呼吸器も修理している。
 Fiemgによると、人工呼吸器は清掃後、点検・修理に回される。最も多い問題はバッテリーだが、プラスチックの部品やチューブ類の交換が必要な物や、接続部などの修理・調整が必要な物もある。人工呼吸器は約1週間で返却されるが、経験を積めば迅速化するはずだ。サービスは全てボランティア活動で、部品調達も募金や寄付などで賄われている。

人工呼吸器(Divulgacao)

 CTIではミナス連邦大学との提携で70%のジェルアルコールを生産したり、マスクを作ったりして、公立病院や高齢者収容施設など、必要な場所に配布してもいる。
 SenaiやSesi(社会工業サービス)などによる必要資材の生産や修理などの動きは、聖州やバイア、セアラ、エスピリトサント、ミナス、マット・グロッソ、南マット・グロッソ、リオ、パラナ、ペルナンブコ、北大河、南大河、サンタカタリーナの13州で始まっている。
 新品の人工呼吸器製造は、各地の工場に大学や研究所、自動車製造会社なども加わり、簡便、廉価な物も含めた器材の開発や増産に励んでいる。(1日付G1サイト、6日付ポルタル・インドゥストリア、7日付オ・テンポ・サイト、8日付国防省公式サイトより)