ホーム | ブラジル国内ニュース | コロナ禍=感染者1万7857人、死者941人に=遺体取り違えの悲劇まで

コロナ禍=感染者1万7857人、死者941人に=遺体取り違えの悲劇まで

遺体取り違えが起きたアミール・マルチンス・ダ・シウヴァさん(Divulgacao)

 【既報関連】新型コロナウイルスの感染拡大が加速し、8日の感染者は2210人増え、死者は2日連続の100人越えとなる133人増を記録した。9日午後5時の保健省の発表によると、感染者は1万7857人、死者は941人に増えているが、医療現場での混乱で、遺体の取り違えまで起きたと9日付現地紙サイトが報じた。

 8日の感染者数を最も押し上げたのは、感染者が1026人増えて6708人、死者も57人増えて428人となったサンパウロ州だ。保健省に報告された同州の死者数は、登記所に提出された死亡届の記載を基に集計した数字を100人余り下回るともいわれている。
 感染者が250人増えて1938人となったリオ州や、240人増えて1374人となったセアラー州、168人増えて804人となったアマゾナス州なども急増組だ。感染者が500人を超えた州も、614人のミナス、550人のパラナ、515人のバイア、511人の連邦直轄区の四つとなった。
 感染者急増と共に気にかかるのは、4月1日現在は3・5%だった死亡率が、8日には5・0%に至っている事だ。死亡率上昇の一因は、死亡後に感染が確認されるケースがある事だが、最近は医療崩壊が始まり、病床がなく、入院不能など、十分な応対が出来ない例も出始めている。
 医療現場では、感染者や死者が増えている事で混乱も生じている。その一例は、8日に死亡し、同日中に埋葬された92歳の女性の遺体が、同じ日に亡くなったコロナ感染症の男性の遺体と取り違えられた事件だ。
 混乱が生じたのはサンパウロ大都市圏サントアンドレ市の病院で、2週間前に転倒して骨折、入院した女性は、気管支肺炎を起こして死亡したが、遺族には、コロナに感染していたとの説明と共に封印された棺が引き渡された。コロナ感染者の葬儀では通夜が禁じられており、遺族は取り違えに気づかぬまま埋葬を行った。
 ところが、同じ日にコロナ感染症で亡くなった54歳の男性の遺族が遺体の取り違えに気づき、病院に連絡。女性の遺族が埋葬後に病院からの電話を受け、男性の遺族と共に被害届を提出したため、警察は男性の遺体を掘り出すよう命じた。
 女性の遺体は9日朝、改めて埋葬されたが、病院側は、遺体には3カ所に判別用のシールを貼っており、自分達のミスではないと釈明している。