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《ブラジル》外出自粛の中で誕生日を祝う=子や孫がマスクを着けて電撃訪問

門の内側に留まり、プレゼントの歌を聴くマリアさん(13日付G1サイトの記事の一部)

 【既報関連】新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するために外出自粛令が出、家族や親戚、友人、知人と会う事もままならなくなっているが、何とかして相手への愛情を伝えようとしている人達がいる。
 12日に80歳の誕生日を迎えたマリア・デ・ルルデスさんとその家族の話はその一例だ。マリアさんはバイア州州都のサルバドールから108キロ離れたフェイラ・ダ・サンタナ市に住んでおり、4人の子供や10人の孫、6人のひ孫とは離れて暮らしている。

 今年の誕生日は一人寂しく過ごす事を覚悟していたマリアさんだが、その思いは、思いがけない形で喜びに変わった。
 子供や孫達が、マスクを着けてマリアさんの家を訪れ、家の前に用意したテーブルの上にケーキを置いた後、風船を手に路上で祝福の歌を歌ったのだ。
 子供や孫は外出自粛令に従って、互いに距離を置いていたし、マリアさんも門から出ずに、必要な距離を保った。
 もちろん、通常なら当然見みられる、ハグを交わす姿は見られなかったが、門の内側に立つマリアさんに向かい、ロベルト・カルロスの「Como é grande o meu amor por você(あなたへの私の愛はどれほど大きなものでしょう)」を歌う姿は、多くの人に感動を与え
た。
 また、ペルナンブコ州オリンダでも11日、「生まれて初めての一人きりの誕生日だな~」と考えていたアデリア・ベロ・ラモスさん(86)を驚かせようと、親族が車5台で乗り付け、コンドミニアムの前で「ハッピーバースデー・ツー・ユー」を歌う一幕があった。マリアさんには子供が10人、孫が14人、ひ孫も13人おり、コンドミニアムの隣人達も、歌声を合わせた。
 外出自粛令が出てからは、誕生日を迎えた人をべランダに呼び出し、家族や友人が路上から「おめでとう」と叫ぶ、パーティが出来なくなった子供のために近所の人達が歌を歌う、ビデオ通話で一緒に時を過ごし、お祝いの気持ちを伝えるなど、心温まる話が数多く報じられている。
 握手やハグは出来なくても、互いの愛情を伝える方法はある事を、コロナ感染症は教えてくれている。(11日、13日付G1サイトなどより)