サンパウロ州で13日朝、外出自粛令を破り、立ち入りが禁止されている公園に踏み入っていた女性が、市警備隊員に対し、「コロナウイルスはコミュニストの陰謀」などと反論。取り乱した末に逮捕される事件が起きた。
事件が起きたのはサンパウロ州アララクアラ市で、コロナ対策で立ち入り禁止となっていた、富裕者の住む住宅地の近くにある公園でくつろいでいた44歳の女性に、市警備隊員が注意した。
すると女性は、「私は自由よ。ここはコミュニズムの場所じゃない。労働者党が結びついていた中国のものじゃない。コロナウイルスのバカ騒ぎなんて私の知ったことじゃない。あんなのは共産独裁国家の仕掛けたものよ」などと反論。市警備隊員たちは、20分間にわたって説得を試みたが、女性は聞き入れなかった。
「コロナウイルスの中国による陰謀論」はボルソナロ大統領三男のエドゥアルド下議や、アブラアン・ウェイントラウビ教育相が唱え、問題となっていた発言で、ボルソナロ大統領支持者が好んで使う言い回しだ。
女性がそのうちに激昂しはじめ、市警備隊員を蹴るなどの行為に出たため、警備隊員4人で取り押さえ、警察に連行した。警備隊員の一人は、腕にかみつかれ、衣服の袖に穴が開くという被害も受けた。
女性は釈放後も、「公園にいる権利は憲法で保障されている」などと語っている。(13日付エスタード・デ・ミナス紙サイトなどより)