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ブラジル=自動車メーカー従業員の7割以上が一時帰休か時短労働措置=一斉大量解雇を避けたいブラジル政府の施策に乗る

パラナ州の自動車工場(参考画像・ Gilson Abre Fiep/Arquino ANPr)

 ブラジル政府はコロナショックのせいで、国内の企業が従業員を最大2カ月間、形式的に解雇して、その間の失業手当を支払い、仕事に復帰した後は解雇期間の2倍は雇用し続けなくてはならないとする一時帰休制度や、従業員の勤務時間を一定の割合で減らし、同じ割合で給料も差し引く、時短労働・給与削減制度を認めた暫定令を出し、議会もそれをスピード承認した。
 これは、企業による大量解雇を防ぐための措置だが、国内10万7千人といわれる自動車製造業では、従業員の74%が既に、一時帰休か、時短労働・給与削減措置の影響を受けていることが分かった。
 ブラジルのニュースサイトG1の調べによると、ブラジル国内13の自動車やトラック、バス製造メーカーの従業員7万9200人は、27日までに、一時帰休か時短労働・給与削減措置の対象となったという。
 ブラジル国内の多くの自動車生産ラインは、3月中旬からストップしている。
 全国自動車工業協会(Anfavea)によると、3月まではブラジル国内の自動車産業界全体で10万6996人が雇用されていた。
 ブラジル国内の自動車メーカーは、従業員の一斉大量解雇だけは避けて欲しいというブラジル政府による助け船(一時帰休や時短労働を認めた暫定令936号)に飛びついた形だ。
 労働者に対する時短労働は最大3カ月間、一時帰休は最大2カ月間、採用することが出来る。どちらのケースも、労働者の収入が減った分の支払いの一部はブラジル政府が負担、支給する。支給額は、失業保険を受けた場合にもらえる金額を基に算出される。
 ブラジル国内で一時帰休や時短労働・給与削減制度を利用しているメーカーやブランドは、フィアット、シボレー、フォルクスワーゲン、アウディ、トヨタ、メルセデス・ベンツ、ヒュンダイ、ホンダ、Caoa Chery、日産、プジョー、トロエン、三菱、スズキ、ジャガー・ランドローバー、ボルボ、BMW、ルノー、フォードとなっている。(28日付G1サイトより)