【既報関連】最高裁のセウソ・デ・メロ判事は27日、セルジオ・モロ前法相が24日の辞任会見で言及した、「ボルソナロ大統領が連邦警察の捜査に干渉しようとした」ことなどに関する捜査開始を認める判断を下した。また、27、28日には新法相と新連警長官も正式に発表された。27、28日付現地紙、サイトが報じている。
ボルソナロ大統領に対する捜査開始許可は、24日にアウグスト・アラス連邦検察庁長官が提出した捜査開始請求に、くじで選ばれたセウソ判事が応えたものだ。
アラス長官によると、モロ氏の主張が正しければ、大統領には偽証罪や証拠隠滅、司法妨害などが当てはまるという。大統領は自身の息子に対する捜査を妨害するため、連警長官のマウリシオ・ヴァレイショ氏をモロ氏の承認を得ずに解任した上、官報に偽署名を使った疑いが持たれている。
だが、大統領は24日夕刻の会見で、「モロ氏は自身の最高裁判事指名と引き換えにヴァレイショ氏解任を承認した」と主張している。
セウソ判事は、今回の判断に伴う文書で、大統領への疑惑を「憲法に反し、大統領にふさわしくない行為」と称し、連警に60日間の期限での捜査を命じた。
検察庁は最高裁にモロ氏からの事情聴取と証拠の提出要請から捜査を始めることも申請済みで、セウソ判事は連警に、モロ氏の会見資料の入手を命じた。捜査では携帯電話の情報公開も必至だ。モロ氏によると、大統領は「連警には自分の支持者が10〜12人いる」ことをヴァレイショ氏解任の理由として迫ったとされている。
セウソ判事はまた、ランドルフ・ロドリゲス上議(REDE)が提出した、カルラ・ザンベッリ下議の携帯電話の情報公開要請に関する判断を検察庁に託した。同下議も、最高裁判事への指名支援を約束しつつ、ヴァレイショ氏解任を認めるよう、モロ氏に求めたとされている。
一方、噂で上がった段階で強い批判を受けていた新法相と連警長官の名前が、28日付連邦官報に掲載された。
新法相は大統領三男エドゥアルド下議の側近で現在は大統領府総務室長官のジョルジェ・オリヴェイラ氏が見送られ、連邦総弁護庁長官のアンドレ・メンドンサ氏となった。同氏はボルソナロ一家との関係は密ではないが、福音派の弁護士として知られている。
連邦警察長官は、かねてからの報道通り、大統領の息子たちの友人で、ボルソナロ氏の警備も務めたアレッシャンドレ・ラマジェム氏を強行指名した。この指名を巡っては、民主労働党(PDT)が早速、差し止め命令を求めている。