28日夜、伯字紙記者から「新型コロナの死者が5千人を超えたが」と深刻な事態に関するコメントを求められたボルソナロ大統領は、「それで?(E daí?) 現状は嘆かわしいが、私に何をしろというんだ? 私はメシアだが奇跡は行わない」と答え、警備員の笑いを誘った。大統領のミドルネームは「メシアス」だ。
確かにその後、「現状を嘆いている。高齢者を中心とする家族を亡くした人達にお悔やみを申し上げる」と語ったが、「コロナ感染の第二の波は失業の波」の言葉に続く冒頭の弁は、多くの人に失望感も与えた。パンを得るために出かけて命を失えば何になるのか。
集団免疫の壁を作る意味なら、「国民の7割の感染容認説」はわからなくはない。だが、中国での流行開始後、思い切った社会隔離措置を敷いたベトナムは、死者0のまま、22日に規制緩和を発表。24日現在の同国の感染者は、輸入型を中心に270人のみだ。
周辺では訪米同行者ら20人以上が感染しても本人だけは「自分は陰性」と言い張り、マスクもせず出歩き、平気な顔で群衆と握手する。「コロナなんて軽い風邪」との言葉も含め、本当は感染したが軽く済み、免疫が出来たと安心して出歩いているのかと勘繰りたくなるのはコラム子のみ?
実は同日、マイス・メジコス参加者でミナス州に残ったキューバ人医師150人が、「エボラ熱その他の感染症流行時の体験を生かして手伝いたい」との手紙を同州政府に送った。前日にはパラー州在住のキューバ人医師86人が、州政府と契約して現場に戻った。
現状を見て居てもたってもいられなくなった外国人医師と、国民を危険に晒す行為を繰り返す大統領。トランプ米大統領も対ブラジル航空便の運航停止を口にし始める程、ブラジルの状態は悪化している。そんな実情を見ようともしない姿に、コラム子は哀れみすら覚える。(み)