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東西南北

 3日のデモでの演説で「軍は政府側についている」と軍事クーデターをちらつかせるような発言まで行ったボルソナロ大統領だが、それを受けた軍は、「陸軍、空軍、海軍のいずれも軍事クーデターには反対だ」との声明を改めて行っている。また、演説の際に大統領がイスラエル国旗を掲げたことに関して、ユダヤ人民主協会が抗議を行っている。大統領は「極右大統領の威信」を掲げたいのかもしれないが、右翼独裁政権を望んでいるわけでもない人たちを、あたかも自分の味方についていると見せかけるような態度はいかがなものか。話が反隔離政策とも、連警トップ人事ともかけ離れた方向に進んでいるのは否めないか。
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 3日に行われた反連邦議会・反最高裁のデモに、オニキス・ロレンゾーニ市民相が参加していたことが発覚している。同相はボルソナロ政権の代表的閣僚ではあるが、同時に、現状ではまだ休職下議の身。連邦議員の立場上、これは問題では。また、オニキス氏は民主党(DEM)の所属だが、マンデッタ保健相解任以来、DEMと連邦政府の関係はあまり良くない。ただでさえ党内でのオニキス氏の立場は微妙なものだったが、こちらも大丈夫なのか。
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 連休中の抗議活動では、多くの暴力行為が見られた。その間、ブラジルではコロナウイルスに10万人以上が感染し、死者もドイツを抜いて世界第7位となった。多くの国民は感染を避けるべく家にいるよう努力をしているが、一方で、一部の人が外で群れを作り、医療関係者や報道関係者に暴力を振るう事件まで。本当に、これで良いのか。