4日、ボルソナロ大統領は連邦警察新長官にローランド・デ・ソウザ氏を指名。1時間後に就任式も行った。その一方で、セルジオ・モロ前法相が、自身が辞任する決め手となった、大統領の連警への介入行為と見なす証拠を含む、パラナ州連邦警察で行った供述の公開を最高裁に求めている。4、5日付現地紙、サイトが報じている。
ローランド・デ・ソウザ氏は、最高裁から就任を禁じられたアレッシャンドレ・ラマジェム氏と同じブラジル情報局(ABIN)からの抜擢。ラムジェム氏の右腕的存在だった人物だ。そういう意味で、大統領一家の友人だったラマジェム氏と立場は大きくは変わらない。
さらに、ローランド氏は就任早々に早速、リオ連警のトップを交代させると決めたとの報道がなされた。大統領長男のフラヴィオ上議のラシャジーニャ疑惑や、大統領次男カルロス氏のフェイクニュースや反連邦議会・反最高裁デモの主導、大統領とはコンドミニアムの隣人にあたるミリシア(犯罪者集団)が起こした、18年3月のマリエレ・フランコ元リオ市議殺害事件などを、リオ連警が管轄している。連警トップの交代は、これらの件の捜査を進めようとするリオ連警をボルソナロ大統領が止めようとしたとの疑惑が持たれている。
一方、モロ氏は4日、最高裁に対して、同氏が2日にパラナ州の連邦警察署で行った供述の公開を求めた。
これらの中には、辞任2日前の4月22日と前日の23日に行われたボルソナロ氏との会議の内容も含まれている。前法相によれば、23日の会議には、ヴァルテル・ブラガ・ネット官房長官、ルイス・エドゥアルド・ラモス大統領府秘書室長官、アウグスト・エレーノ大統領府安全保障室(GSI)長官も同席したとされている。
一部報道では、この会議の席上、大統領が「リオが欲しい」と発言したとされている。
連邦検察庁もこの日、この動画に含まれているとされる3人の閣僚、そして、モロ氏の辞任引き止めに関与したとされていたカルラ・ザンベッリ下議の捜査も求めている。
翌5日朝、ボルソナロ大統領は報道陣からの質問に対し、ローランド氏の連警トップ就任に伴う連邦警察やリオ連警への干渉を否定。明らかにイラついた様子で「カラ・ボカ(黙れ)」と大声で連発し、マスコミ報道を批判した。
大統領は、1〜3日に自分の支持者たちが医療関係者や報道陣に対して暴力を振るっとの報道に対しても、「そのような暴力行為はない」と言い切った上、「私の家族は誰も、連警の捜査対象になっていない」とも言い放った。