【既報関連】新型コロナウイルスの特徴の一つに、無症状の人や発症前の人からも感染する現象が指摘されている。また、検査結果で陰性と出た人や、軽症だと思っていた人が急激な症状悪化で苦しむ例も報告されている。7日付G1サイトがそんな例の一つを報じた。
サンパウロ市で書籍を販売しているロドリゴ・バルボーザ氏(36)はコロナ感染を恐れ、3月29日にバイア州イタペビの妻の実家に身を寄せたが、旅行後に、においや味がわからなくなり、疲れも感じ始めた。
当時は発熱も息苦しさもなかったが、姑から医者に行くよう勧められ、受診したところ、感染が判明。4月9日に入院し、一時はこん睡状態に陥った。入院期間は22日間に及び、現在は妻の実家に戻っているが、バルボーザ氏は「どこでどうやって感染したのか、わからない」という。
接触した人が無症状者だったりして感染経路がつかめない例は多く、発症前の感染者の訪問を受けた夫婦が、共に感染して入院した例もある。
7日現在のバイア州の感染者は4528人、死者は165人だが、6日現在の数字で見ると、感染者4301人に対し、感染の有無を検査中の人が3223人いる。
同州のコロナ発生率(人口10万人あたりの感染者数)は304で、北東部内ではまだ低い。
州別発生率を見ると、州都での感染が制御出来ているとされるリオ・グランデ・ド・スル、パラナ、ミナス・ジェライスの3州は各々、187、145、131で、低い。その他の州で100台を保っているのはマット・グロッソとマット・グロッソ・ド・スル、ゴイアスのみだ。
発生率が高い州は、少人口で発生率は低くなると思われていた北部や北東部に集中している。突出しているのはアマパーの2600やアマゾナスの2437で、ロライマやセアラー、アクレ、ペルナンブコも1684~1130と高い。
人口密度が高い南東部や南部に発生率が低い州が多く、人口密度が低い北部や北東部に発生率が高い州が多い事は、早い時期に社会的隔離を導入し、感染拡大を抑制したか否かの差を示す。北東部は水道普及率が低く、旱魃による水不足などもあって手洗い励行が難しいなどの問題も指摘されていた。アマゾン流域州は、船の航行も制限して感染の拡大抑制を図ったが、奏効していない。