【既報関連】12日午後7時現在の保健省の公式発表によると、同日現在の新型コロナウイルスの感染者は17万7589人、死者は1万2400人となった。
死者の数は前日の保健省発表から881人増えた。新型コロナウイルス災禍が始まって以来、最大の増加数だ。
その後も各州保健局が感染者数、死者数を更新したので、感染者数、死者数共に増え続け、12日夜半の感染者数は17万8200人を超えた。12日現在、ブラジルの感染者数はドイツを抜き、世界第7位となった。6位のフランスとの差はわずかで、13日中に追い越すと見られている。
コロナ感染データ集計で世界的に信頼度の高い米国ジョンズ・ホプキンズ大学の調べによると、世界中では、13日午前の時点で、延べ420万人の感染が公式に確認されている。
ブラジルでは、ドイツや韓国が行っているような大規模な検査は行われていないため、実際の感染者数や死者数は公式発表よりずっと多い可能性がある。
ブラジルの総人口は2億人を超えているが、これまでに行われたコロナ感染検査の件数は48万件程度にとどまっており、14万5千件はまだ結果が出ていない。
12日の時点でも、既に亡くなり、「死因がコロナか調査中」の人が2050人いた。
こうした人々の死因が判明すると、統計数値は減少する。だが、その間にも死因を特定できない死者が増えるため、「死因調査中」の数値は一向に減らない。
ブラジル国内の医師や科学者たちの独自調査では、7日現在の国内の感染者総数は160万人だったと見られている。7日時点での保健省発表は13万5千人だったから、その11・9倍だ。
国内の入院者数がほぼ10倍であること、重度の呼吸器症候群による死者も例年より10倍以上増えていることが、感染者や死者が過少報告されている証拠だという。
エドゥアルド・マラシオ健康監視局局長代行は12日の保健省会見で、同省のシステムには、これまでブラジル最初のコロナ感染者が確認されたとされてきた2月26日より前に39件の感染例が登録されていることと、各州保健局に感染経路などを調査するよう指示したことを明らかにした。
また、マイラ・リベイロ労働管理局長は、新型コロナウイルスに感染および死亡した医療従事者の調査を開始し、医療従事者の状況を詳述した速報を発表する計画であるとした。コロナとは断定されていないものの、重症急性呼吸器症候群(SARS)と認定されている医療従事者は884人おり、内276人が入院している。
12日付アジェンシア・ブラジルによると、同局長は、医療従事者を採用するためのプログラム「ブラジル、私を頼って」(Brasil Conta Comigo)計画に93万1千人が登録を済ませており、43万人以上は、同計画による支援を必要とする州や市へで働きたいとの意向を表明していると発表した。同計画に支援を要請した最初の自治体はアマゾナス州マナウス市で、377人の専門家が派遣された。同市に派遣された医療従事者の6%は既に不安やうつ病にさいなまされており、同省が心理的サポートを提供し始めたという。