《ブラジル》大統領長男に疑惑噴出=ラマジェム氏の本当の役割は?=疑惑の弁護士に公金拠出か
【既報関連】18年の大統領選期間中に起きた、ボルソナロ大統領長男フラヴィオ上議のリオ州議時代の職員ファブリシオ・ケイロス氏による不正キックバック(ラシャジーニャ)に関する連警捜査延期工作疑惑について、新事実が次々と明るみになってきている。補欠上議パウロ・マリーニョ氏がフォーリャ紙に語った内容で、19日付本面でも既報。18、19日付現地紙、サイトが報じている。
リオ州議会で横行していたラシャジーニャに対して行われた18年11月の捜査「フルナ・ダ・オンサ」に関し、この前身の捜査「カデイラ・ヴェーリャ」を率いていたのがアレシャンドレ・ラマジェム氏だったと、19日付エスタード紙は報じた。同氏は、セルジオ・モロ前法相の辞任の引き金になったボルソナロ大統領による連警干渉疑惑の最中に、大統領が連警長官に据えようとした人物だ。同氏の連警長官就任は、ボルソナロ一家との個人的な距離の近さなどを理由に、最高裁に差し止められた。
「カデイラ・ヴェーリャ」作戦は、金融活動管理審議会(COAF)の報告を基に、17年11月に行われたリオ州議会関係者の捜査で、連警と連邦検察庁、リオ州検察局が担当していた。ケイロス氏の口座に不正な動きがあることは、その時も指摘されていた。
また、18日付フォーリャ紙サイトでは、フルナ・ダ・オンサの進行を時系列で紹介している。それによるとCOAFが同捜査で使われた資料をリオ州検察局などに送ったのは18年1月で、同州検察局は同年7月31日に正式に捜査の準備をはじめた。
同件に関しては、リオ州検察局が同年10月16日に疑惑州議らの逮捕令状を請求。フラヴィオ氏はその前日の10月15日に、ケイロス氏と幽霊職員の一人だった同氏の娘を解雇している。直前に捜査陣内部から情報漏えいがあったという疑惑を、マリーニョ氏が告発している。
だが当時、リオ地域裁が「慎重に扱うべき件」と判断した結果、逮捕令状は大統領選決選投票2日後の10月31日に出された。フルナ・ダ・オンサが敢行されたのは11月8日で、当時の逮捕者になぜかケイロス氏は含まれていなかった。だが、同年12月6日にエスタード紙が、本来はケイロス氏が捜査対象に含まれていたと報じて、問題が表明化した。
フラヴィオ氏が19年1月に、当時所属していた社会自由党(PSL)に弁護士ヴィットル・グラナード・アウヴェス氏を雇わせ、13カ月半にわたり、少なくとも50万レアルほどを、政党支援金から支払わせていたとの疑惑を、フォーリャ紙サイトは19日午後に報じた。彼はケイロス氏の裁判の担当弁護士で、自身も捜査対象になっている。
18日付G1サイトによると、同弁護士は州議時代のフラヴィオ氏の側近の一人。パウロ・マリーニョ氏が暴露した、連警がケイロス氏への捜査を進めようとしているとの情報を大統領選期間中にフラヴィオ氏が受け取ったとされる情報漏えい問題にも関与していた疑いが持たれている。