ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ナチス思わせる敬礼=ボルソナロ大統領に対して信者がはじめる

《ブラジル》ナチス思わせる敬礼=ボルソナロ大統領に対して信者がはじめる

17日、官邸前でボルソナロ大統領に敬礼をする集団(ツイッターより)

 17日、ブラジリアの大統領官邸前で行われた親・連邦政府デモにつめかけたボルソナロ大統領の信者が、ナチス・ドイツを彷彿させる敬礼を行い、物議を醸した。
 問題となったのは、落下傘部隊のベテラン10数人からなる愛国的なボルソナロ信者だ。そのグループは、黒いTシャツと迷彩色のズボン、エンジのベレー帽といった出で立ちで大統領を待ち構え、大統領官邸から出てきたボルソナロ氏が近づくと、一斉に敬礼を行った。その様子は写真や動画に収められ、広まっている。
 同様の出来事は今月8日にも起き、大統領府近くの沿道で大統領の登場を待っていた支持者たちが、ボルソナロ氏を見かけるやいなや敬礼を始めて、同じように物議を醸していた。
 片方の手を相手に差し伸べるのは、クリスチャンたちが相手への守りや祝福を祈るときに採る姿勢でもあり、大統領支持者たちは宗教的な行為と説明しているが、17日にこの行為を行ったメンバーは、ボルソナロ大統領に忠誠を尽くす言葉も口にしており、ナチス・ドイツを真似た行為との見方が強い。
 ボルソナロ大統領は自身の主張するコロナ対策が不評であることや、人気閣僚だったセルジオ・モロ前法相の辞任とモロ氏が辞任会見で訴えた大統領の連邦警察捜査介入疑惑などもあり、支持率が下降中で、毎週行われている大統領支持者のデモも、人数の少なさを指摘されている。
 だが、その分、支持者の過激化がこのところ問題になってもいる。
 それらの中にはジャーナリストに対する暴力事件や、棺桶を担いでのコロナウイルスの犠牲者や遺族に対する挑発行為、さらには、武器まで持つネオナチ集団「300・ド・ブラジル」による、大統領府内でのキャンプ(テントを設営しての立てこもり)などが問題視されている。(18日付カトラッカリヴレ、同日付ブラジル247サイトより)