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《ブラジル》問題の閣議ビデオ公開で物議かもす=大統領の干渉疑惑裏付け

4月22日の閣議より(Marcos Corrêa/PR)

 セルジオ・モロ前法相が「ボルソナロ大統領が連邦警察の捜査に干渉した」ことの証拠だと主張している4月22日の閣議を収めたビデオの公開を、最高裁のセウソ・デ・メロ判事が22日に許可した。それにより、かねてから囁かれていた大統領の疑惑発言が確認された。これ以外にも、モロ氏証言を裏付けるような大統領の言動が浮上している。22〜25日付現地紙、サイトが報じている。
 セウソ判事がビデオ公開を承認したのは22日の午後5時。同判事は、中国とパラグアイに関して触れた部分は非公開としたが、それ以外は全編が公開された。
 この閣議の中で大統領は、8日のブラジリアの連邦警察で先行公開された際にも報道されていた「家族や友人が危険にさらされるのを黙って見てはいられない」「どの省にだって、必要とあれば干渉する」「連邦警察が捜査情報を教えてくれない」などといった発言を行っており、大統領が主張していた「連邦警察という言葉は使っておらず、連邦警察への干渉や介入にあたる表現は出てこない」との言葉と矛盾が生じた。
 この閣議では、様々な閣僚が立て続けに不謹慎な発言を行ったことも明らかになり、別の意味でも問題となった。大統領自身も、「武器倉庫の鍵を開けろ。市民に武装化させて〃独裁政権〃(ここでは州や最高裁のこと)に反抗させろ」と、暴動を煽るような発言を行っている。
 この閣議での発言以外でも、ボルソナロ氏による連警干渉疑惑を匂わせる言動が浮上している。ボルソナロ氏は22日夜、このビデオの件で取材を受けた際、「私には個人的に情報を教えてくれる軍警や市警などがいる」との問題発言も行っている。
 さらに、4月22日の閣議の数時間前に、大統領がモロ氏に宛てて「モロ、ヴァレショは今週の内に(連邦警察長官を)辞める。もう決まったことだ」とのメッセージを送っていたことを、エスタード紙が23日夜に明らかにし、閣議での話が連警のことである可能性をより明確にうかがわせた。大統領はこのメッセージの後、「フォルサ・ナシオナル、Ibama、Funai。アウトソース(外部委託)はもう終わりだ。これからは直接報告を受ける」とも送信している。

 また、大統領は26日に、アウグスト・アラス連邦検察庁長官と共に、予定になかったイベントに突如参加し、物議を醸した。アラス長官はセウソ判事から、モロ氏が辞任会見で明らかにした連警人事や連警の捜査への干渉・介入に関する意見書の提出を求められている。同氏が提出する意見書の内容いかんで大統領の行為が犯罪とみなされるか否か(大統領が裁かれるか)が決まるため、同氏の動向は注目されている。
 この面会の後、大統領は「検察庁は今回の件をお蔵入りさせるだろう」と発言。だが、フォーリャ紙の報道では、検察官たちはボルソナロ氏の犯罪を強く疑っているという。