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《ブラジル》正規雇用者が86万人減=統計開始以来で最低

コロナ禍で労働手帳を持つ正規雇用者にも厳しい状況が続いている(Marcello Casal/Agencia Brasil)

 ブラジル経済省が27日、4月の正規雇用者総数は前月比で86万503人減少したと発表したと同日付ニュースサイトが報じた。
 各企業が提出する正規雇用の従業員の情報を集計した全就労・失業者台帳(Caged)によると、4月の新規採用者は59万8596人で、解雇者は145万9099人だった。86万人の正規雇用者減少は、1992年の統計開始以来、最悪の結果だ。
 4月の新規採用は昨年同月比で56・5%減少した。解雇者は昨年同月比17・2%増に止まったが、新規採用者数が大幅に減ったため、正規雇用者総数が大幅に落ち込んだ。平均給与は1496・92レアルで、3月の1814・62レアルを大幅に下回った。
 正規雇用者が最も減ったのはサンパウロ州で、26万902人の純減となった。以下、ミナス・ジェライス州8万8298人、リオ州8万3626人、リオ・グランデ・ド・スル州7万4686人と続く。
 しかし経済省は、4月の正規雇用減は新型コロナウイルスの感染拡大によって経済活動が制限された事が最大の原因とした上で、「米国では失業保険の受給申請が350万を超えたが、ブラジルでは86万500にとどまっており、状況はずっと良い」「これらの数字は、連邦政府が打ち出した諸策が有効であった事を示す」と評価している。

 コロナ禍で経済活動が低迷し始めた3月は、新規採用が131万6655人、解雇が152万4056人で、20万7401人の純減だった。
 1~4月の累計は、新規採用499万9981人、解雇576万3213人で、76万3232人の純減だ。今年に入ってからの新規採用者数は昨年同期比で9・6%減り、解雇者数は10・5%増えた。