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サンパウロ市編=自粛生活の心がけを聞く=体動かしストレス発散を

2018年6月、ラジオ体操連盟40周年記念の折、リベルダーデ体操記念塔の前で元気に記念撮影をするリベルダーデ・ラジオ体操会の皆さん(前列右端が鹿又さん)

2018年6月、ラジオ体操連盟40周年記念の折、リベルダーデ体操記念塔の前で元気に記念撮影をするリベルダーデ・ラジオ体操会の皆さん(前列右端が鹿又さん)

 新型コロナウイルスによる外出自粛令が発令されてから早2カ月――。自粛生活の過ごし方、心がけについて、サンパウロ市在住者に電話取材をしてみた。

 リベルダーデ・ラジオ体操会の鹿又信一会長(かのまたのぶかず)(東京都、85歳)は、「このクアレンテーナ(検疫)で毎朝のラジオ体操会も自粛している現在、体が鈍らないよう毎日自宅で運動しています。人間は怠けぐせがある生き物なので、こういった時こそ、少し疲れるぐらいの運動がいいのです」と語った。
 1978年10月1日から42年間、ほぼ毎朝欠かさずリベルダーデ日本広場で行ってきた伝統のラジオ体操も、3月17日から活動中止を余儀なくされている。
 鹿又会長も自宅待機をしているが、体力温存・老化防止のため、毎日自宅マンションの階段を1階から12階まで2往復登り降りし、60分間ほど駐車場内を歩く運動を行っているという。
 「少しでも血行を良くして老化防止を防ぎましょう。閉じこもっているだけでは蓄えたエネルギーを発散できません。歩くもよし、体操もよし、飛び上がるもよし、こんな状況でも自宅内でできるかぎり体を動かしましょう」と語った。
 サンパウロ市在住、南米産業開発青年隊協会の渡辺進会長(静岡県、70歳)も同様に身体を動かすことを勧めた。

2018年の南米産業開発青年隊協会定期総会(前列左から5人目が渡辺さん)

2018年の南米産業開発青年隊協会定期総会(前列左から5人目が渡辺さん)


 「ブラジルの将来に対する不安はありますが、自粛生活による気持ちのストレスは少ないです。むしろ日頃の課題に向き合う良き時間と考え、毎日自宅で稽古に励んでいます。運動後の夕飯は本当に美味しいんですよ」
 渡辺会長は長年稽古を行っている剣道で、課題に向き合う良い機会だと考えたという。以前は週3回の道場での練習に勤しんでいたが、コロナ禍以降、道場が一時閉鎖の為、自宅のガレージで連日一人稽古を行っている。毎夕竹刀の素振り稽古、スクワット、バーベル等で汗をかいているという。
 さらに自粛生活でストレスを溜める人への心配も。「自粛令下で、外出もできず家の中に籠もりきりでは、ストレスも溜まる一方でしょう。特に血気盛んな若者が力の発散する場所がないことを考えると心が痛いです。老若男女体力の差はありますが、少しでも身体を動かすことでストレス発散にもなるのではないでしょうか。こうした状況を逆手にとって毎日の目標をたてて行動する、良い機会だと思います」と語った。
 一方、サンパウロ市在住の城崎・ヨシナガ・キヨコさん(77歳、二世)はコロナ感染防止の為、極力外出は避けているとのこと。外出時は早々と用件をすませて、寄り道をせずに帰宅することを心がけているという。
 城崎さんは16年前に夫を亡くし、現在は愛犬と住む。不安はあるが息子同様の犬と、毎日横で一緒に就寝しているとのこと。そんな城崎さんを心配する親戚や娘家族との定期的な電話が何よりの楽しみだという。
 「自粛生活の不安はありますが、家族や親戚と思い出話を語ることで心のモヤモヤもすっきりします。信頼している愛犬が毎日一緒にいてくれるので本当に安心しています」とペットを飼うことの良さを語った。