ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》閣議ビデオ公開で過去最悪 大統領不支持率43%に=コロナ対策不支持は50%

《ブラジル》閣議ビデオ公開で過去最悪 大統領不支持率43%に=コロナ対策不支持は50%

ボルソナロ大統領(Marcos Corrêa/PR)

 ボルソナロ政権に関するダッタフォーリャの最新世論調査の結果、ボルソナロ政権に対する支持率と、新型コロナウイルス対策への評価が過去最悪になったことがわかった。セルジオ・モロ前法相が「大統領が連邦警察に違法介入した証拠」とした4月22日の閣議のビデオ公開後も、熱狂的支持層は保たれたが、そうでない支持層が離れて拒絶率上昇を見せている。29日付現地紙が報じている。
 今回の調査は25~26日に全国の2069人を対象に行われ、ボルソナロ政権の支持率(良/最良と評価)は33%だった。この数字は4月27日に行われた前回調査と同じだが、不支持率(悪/最悪と評価)が前回の38%から43%に上昇した。「普通」は26%が22%に落ち、「わからない/無回答」は3%から2%となった。今回の調査の誤差は、上下2%ポイントだ。
 今調査は、22日の閣議ビデオが公開された後に行われた。ビデオには大統領の他、ウェイントラウビ教育相やサレス環境相などの問題発言も含まれていた。ビデオを見た人の61%は、大統領発言は「非常に不適切」と評価。「少し不適切」も15%いた。
 大統領就任約1年半の時点での不支持率(拒絶率)43%は、民政復帰で大統領直接選挙がはじまって以来、最悪の数字だ。同時期の拒絶率は、カルドーゾ大統領が25%、ルーラ大統領は17%、ジウマ大統領は5%だった。
 今回の調査では、55%の人が閣議ビデオを見た、または存在を知っていると答えている。ビデオを見聞きした人の61%は「ボルソナロ氏が自分の立場を利用して連警介入を行おうとした」と考えており、「ボルソナロ氏は個人的な警備の改善を語っただけ」と答えた人の32%を大きく上回った。現政権を拒絶した人の88%、若者の70%は、連警介入との見方を支持。現政権支持者の72%は連警介入との見方を否定した。
 また、ボルソナロ大統領の新型コロナウイルス対策の評価は、「良/最良」が27%のままだったのに対し、「悪/最悪」は50%に達した。国民から支持を得ていたルイス・エンリケ・マンデッタ保健相を解任した翌日(ネウソン・タイシ氏の就任日)の4月17日は、「悪/最悪」が38%だったから、急上昇したことになる。

 ただ、「コロナウイルスの感染拡大の責任は大統領にあるか」の問いは意見が分かれ、33%が「大いに責任あり」、20%が「少し責任がある」、45%が「責任はない」と答えていた。
 一方、保健省への支持は45%で、ボルソナロ氏よりかなり高い。これも、マンデッタ氏が保健相だった4月上旬の76%と比較すると、大きく下降している。
 また、州知事へのコロナウイルス対策に対する支持率は、南部の68%を筆頭に、北東部53%、中西部52%、南東部50%と、いずれも50%を超えていた。「コロナウイルスの感染拡大の責任は知事にあるか」の問いにも、「責任はない」が58%で、ボルソナロ氏より18%ポイント高い。「大いに責任あり」は19%、「少し責任がある」も20%で、高い数値ではなかった。