アブラアン・ウエイントラウビ教育相は5月29日、「最高裁判事を全員刑務所に」と閣議で発言したことに関して、連邦警察で事情聴取を受けたが、黙秘権を行使し、無言を貫いた。5月30日付現地紙などが報じている。
ウエイントラウビ教育相の発言は、セルジオ・モロ前法相がボルソナロ大統領による連邦警察介入疑惑の証拠として5月22日に公開された、4月22日の閣議ビデオで明らかになった。
この発言は最高裁に悪印象を与え、アレシャンドレ・デ・モラエス判事が、同教育相に対し、連邦警察で供述を行うよう命じていた。
モラエス判事の決定は連邦政府を驚かせた。政府は27日夜、ボルソナロ大統領を交えた会議の末、アンドレ・メンドンサ法相が28日に、ウェイントラウビ氏に対して異例の人身保護令を出して守る姿勢を見せた。司法をつかさどる時の法相が、同僚の閣僚を守るために一介の弁護士のような役割を果たして人身保護令を請求することに、異議を唱える専門家が続出した。
この請求の審査を担当した最高裁のエジソン・ファキン判事は、連邦検察庁のアウグスト・アラス長官に意見書の提出を求めたところ、「ウェイントラウビ氏に対する起訴が送られてからの判断にする」との見解を示した。
結局、人身保護令適用が見送られ、教育相は連邦警察での事情聴取に応じるよう命令された。だが、そこでは何も語らなかった。事情聴取が終わった後、ボルソナロ大統領がねぎらうように非公式に同氏を訪れたという。