連邦政府が昨年わずか38日の間に、フェイクニュース(虚報、FN)などの思わしくない内容の広告を200万件以上流していたことが、両院合同のフェイクニュース議会調査委員会(CPMI)によって3日に発表された。5月27日にボルソナロ大統領の関係者を捜査対象とする連警の大掛かりなFN捜査が行われ、連邦政府が強い反発を示していたが、議会調査委員会も不利な展開になってきた。3、4日付現地紙、サイトが報じている。
CPMIは大統領府社会通信局(SECOM)に、昨年の1月1日から11月10日までのデータを要請していたが、提出されたデータは6月6日から7月13日までの38日間のものだけだった。だが、その間だけで、CPMIが「適切とは思えない」と判断した広告が、843のメディアに206万5479件も流されていたことがわかった。
その内訳は、47のサイトにFNが65万3778件、規定違反で消滅したユーチューブのチャンネル741に23万40件の広告、12のサイトにギャンブルに関する広告65万7905件、七つのサイトに不法投資を呼び込む広告4092件、ポルノ絡みの広告も四つのサイトに27件掲載されていた他、当局者の個人的な広告や選挙に向けたアピール的な広告も10のサイトに3万件以上掲載されていた。
FNサイトの中には、大統領三男エドゥアルド下議との蜜月ぶりで知られ、FN捜査でも対象とされたブロガー、アラン・ドス・サントス氏のサイト「テルサ・リーヴリ」も含まれている。同氏は昨年、CPMIに召喚された際に「連邦政府からは一切広告をもらっていない」と語っていたが、SECOMのデータでは、同氏のユーチューブ・チャンネルは対象期間に1447もの広告を受けていた。
ボルソナロ大統領の個人チャンネル「ボルソナロTV」や大統領長男フラヴィオ氏など、大統領関係者の5メディアにも広告料が支払われていた。
フェイクニュース問題は日を追うごとに深刻さを増している。来週から選挙高裁で始まる見込みの、18年大統領選でのボルソナロ/モウロン連立名簿の選挙違反疑惑の審理でも、ワッツアップでのFN大量拡散などが審理対象になると当選無効も起こりうるのではと言われはじめている。
「フィッシャ・リンパ法(違法疑惑のある候補を出馬できなくした選挙法)の父」とも呼ばれ、同法制定に寄与したロン・レイス元判事も、「FNとワッツアップ大量拡散は21世紀の汚職」と称し、取締の法制化を求めている。