4日、サンパウロ州議員5人がコロナウイルス感染症患者専用のアニェンビー臨時病院に侵入して写真を撮ってネット拡散し、「使われていない」などと告発を行った。だが、実際には2千人以上に使われていたことが市によって発表されたと4、5日付現地紙サイトが報じている。
侵入を試みたのはコロネル・テリャーダ(進歩党)、アドリアナ・ボルゴ(PROS)、マルシオ・ナカシマ(民主労働党)、レチシア・アギアル(社会自由党)、サルジェント・ネリ(アヴァンテ)の5州議だ。
5人は、サンパウロ市北部にある臨時病院内部の使われていなかったベッドなどを写真や動画に収め、ネットで拡散した。彼らの行為に驚いた病院スタッフが、州議たちと口論してもみ合いになる場面まで動画には収録されていた。
だが、サンパウロ市側はこの後、同病院が累計3700人以上を受け入れ、内2800人は回復して退院したこと、現在も407人が入院加療中であることを公式に伝えた。州議らが報じた「使われていないベッド」は、必要が生じた場合に対応するための予備だと説明している。
サンパウロ市側は、安全具さえつけずに入ろうとして、自分たちや患者、医療従事者を危険にさらしたことや、許可も得ずに患者や内部を撮影したりしたことも含め、州議たちの行為に強い遺憾の意を表明、法的処置も含めて強く抗議する意向だ。
一方、テリャーダ州議は、「侵入行為ではなく、保健局長に許可をとった」と主張。病院職員は「予約をして来るよう」伝えたというが、「待てなかった」と同州議は答えている。