経済開発協力機構(OECD)は10日、2020年の世界経済は景気後退(リセッション)に陥り、国内総生産(GDP)は6%のマイナス成長となるが、ブラジルはそれを上回る7・6%の縮小となるとの見通しを発表したと同日付ブラジル国内サイトが報じた。
新型コロナウイルスの感染拡大は、ほぼ1世紀間見られなかったほどの世界的な景気後退を引き起こすと共に、健康面、雇用面、生活の質にも甚大な影響を及ぼすと見られている。
ブラジルのGDP成長見込み7・4%は、米国のマイナス7・3%やメキシコのマイナス7・5%とほぼ同じだ。GDPの落ち込みが最も少ないのは中国のマイナス2・6%で、最も深刻なのはユーロ圏のマイナス9・1%だ。
これはあくまでも、コロナ禍が再燃せずに終息した場合で、感染の第2波に襲われた場合は、世界全体がマイナス7・6%、ブラジルはマイナス9・1%となると予想されている。第2波襲来の場合も、最も打撃が小さくて済むのは中国のマイナス3・7%で、最も打撃が大きいのはユーロ圏の11・5%と予測されている。
OECDは、今年の参加諸国の失業率はパンデミック前の2倍以上になると予想。雇用の回復は時間がかかり、来年いっぱいかけてゆっくり回復と見ている。
2021年の世界経済は、コロナ禍が抑制できた場合は5・2%成長するが、第2波が襲来したら2・8%程度の成長と見ている。
ブラジルの来年度の成長率は、コロナ禍が順調に終息した場合が4・2%、第2波襲来の場合は2・4%と予測されている。