ボルソナロ大統領は11日、木曜恒例のネット生中継で、支持者に対し、州や市が運営している、サッカー・スタジアムなどを使ったコロナウイルス用の臨時病院に忍び込んで撮影を行うよう勧めた。この行為は4日にサンパウロ州の州議たちが聖市北部のアニェンビ臨時病院に対して試み、問題となったもので、そもそも違法行為。大統領自身が違法行為を進めるのは、いかがなものか。大統領の意に反して外出自粛措置を強行した州や市に恨みがあるのは明らか。そういう州や市でさえ外出自粛緩和に入り、今は逆に感染再燃が心配されているのに、まだ気がすまないよう。緩和後の対策を後押しするように、知事たちと前向きにやり直す方が、国民からの好感度がはるかに上がると思うのだが。
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ブラジルのウニベルサル教会最大の大物、エジル・マセド大司教がコロナウイルスに感染して入院していたことがわかった。入院は8日からで、すでに退院している。一部報道では、クロロキンを処方した可能性があるとの説も。コロナ対策での外出自粛反対の背景の一つに、ウニベルサルをはじめとする福音派の強い反対があったことがあげられる。マセド大司教が感染したことで、ウニベルサルの方針が変わることはあるのだろうか。
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バレンタイン・デーが実質的に存在しないブラジルでは、12日の「恋人の日」は商戦上の大事な日だ。4時間だけとはいえ、今週から営業が認められた大聖市都市圏の商店やショッピングセンターでは、例年よりは弱いだろうが、最悪の数字は避けられたといったところか。くれぐれも感染再燃で規制が逆戻りしないことを祈るのみだ。