【既報関連】新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛令が出て以来、学校では通常の授業ができず、休暇の前倒しやオンライン授業で内容や履修時間数を補っている中、サンパウロ州立の大学3校は後期の講義はオンラインのみとする事を決めたと18日付現地紙が報じた。
この決断は、サンパウロ総合大学(USP)、カンピーナス総合大学(Unicamp)、パウリスタ総合大学(Unesp)の3校が下したものだ。学長達は、講義再開により、教職員や学生の間でコロナ感染が再燃する事を怖れている。
3校の在籍者は、学部生11万4674人、大学院生6万4094人。現在は、コロナ関連の研究や実験を除く、90%の講義がオンライン形式で行われている。
Unicampでは、オンライン形式で講義を行う教師は点数を出さなくても良いとの特別基準も設けた。また、Unespでは、各構内に教材を作るためのスタジオを設け、講義内容を録画・録音出来るようにしている。教職員に対する、オンライン講義を行うための機材の使い方などの指導も始まっている。
後期の講義は全てオンラインでという対策は、USP内に設けられたグループが検討、立案。同案は全ての理事、副理事達に送付され、承認を受けている。
Unicampのマルセロ・クノベル学長は、「集団検査を行って感染実態を確認した上で、治療法や予防接種ワクチンが開発されて感染がコントロールされるのでなければ、本当に安心とはいえず、教室に学生を集めての講義は無理だ」と考えている。
オンライン形式の講義には限界があるため、理論に関する講義を前倒しで行い、応用的なものは来年に回すなど、履修内容の変更も行われる。