ボルソナロ大統領は19日、連邦政府特別文化局長に俳優のマリオ・フリアス氏を指名し、連邦政府官報で公示した。前任者二人が物議を醸した後だけあって、同氏の就任にもメディアでは厳しい批判が起きていると、20〜22日付現地紙が報じている。
5月に前任者のレジーナ・ドゥアルテ氏が「配置転換」という形で実質的な解任になった際、大統領がフリアス氏と食事をとる姿が目撃されたときから就任が本命視されていた。
レジーナ氏が5月に解任になった後、文化局長の後任はしばらく置いていなかった。だが18日にアブラアン・ウェイントラウビ氏が教育相解任となったことで、保健相、文化局長、教育相という3大役職が代行という異例の事態となったため、連邦政府に批判が向けられていた。
フリアス氏は48歳でリオ生まれのイケメン俳優だ。グローボ局の青年向き番組「マリャソン」で有名になった。その後、様々な局を渡り歩いている。レジーナ氏同様に政治経験のない俳優で、ボルソナロ大統領の熱心なファンとして有名だった。同氏はネット上で、ボルソナロ氏がコロナウイルスの治療薬として推奨するクロロキンを熱心に勧め、ロドリゴ・マイア下院議長を批判するなどの書き込みを行なっていた。また、フリアス氏就任の背景には、カルラ・ザンべッリ下議(社会自由党・PSL)から「これまでの彼のイデオロギーからして文化局長にふさわしい人物」と推薦があったと言われている。
だが、2代前のロベルト・アルヴィム氏がナチスのゲッベルス宣伝相の言動を真似た動画で解任され、レジーナ氏も生放送で軍政時代を礼賛してナチスの大量殺戮を擁護するなど、現政権下の文化局長には問題発言が続いている。
20日付フォーリャ紙は文化面に、フリアス氏の役者時代のヌード写真を掲載し、文化局長就任を痛烈に皮肉っている。