テレーザ・クリスチーナ農相は23日、「森林伐採しなくても食糧増産は可能」と発言。増産のための森林伐採を推奨するボルソナロ大統領とは異なる見解を表明した。同日付現地サイトが報じている。
クリスチーナ農相は23日、地球温暖化抑制を目指す気候関連団体のクリメート・ボンド・イニシアチヴ(CBI)主催のネット上のイベントに参加した際、ブラジルの農地が国土全体の8%に過ぎないことをあげ、「生産可能な土地を見つける限界には達していない」と発言。「テクノロジーの力も借りれば、生産性を向上させることは可能だ」と語った。
森林伐採はボルソナロ大統領の就任以降、事実上、黙認状態にあると見られており、昨年8月には法定アマゾンの森林伐採や森林火災が国際的な問題となっていた。法定アマゾンの森林伐採が拡大する傾向にあることで、最近は、欧米諸国などを中心に、クリスチーナ農相を森林伐採の責任者のひとりとみなす動きも出ていた。
このイベントには、中銀のロベルト・カンポス・ネット総裁も参加。同総裁も、「ブラジルは(地球温暖化防止のための)カーボンクレジット交渉でも世界をリードする国になれる」として、ブラジル財界にとって環境問題への対処は国際的な関心事であることを力説していた。