国際金融基金(IMF)が24日、今年のブラジルの国内総生産(GDP)は9・1%のマイナス成長となるとの予測を発表したと同日付ブラジル国内サイトが報じた。
この数字はIMFが4月に出したマイナス5・3%を3・8%ポイント下回った。IMFによると、今年のGDPの落ち込みは、この120年間で最悪だという。
中銀が毎週月曜日に発表する、金融機関による景気動向予測「フォーカス」の今年のGDP成長予測はマイナス6・5%だから、IMFの予測はブラジル国内のアナリスト達の予測を大幅に下回る。
IMFは新型コロナウイルスの世界的大流行が与えた影響は当初の予想より大きいと判断し、全地域の成長予想を4月の予測から下方修正した。世界全体のGDPはマイナス3%からマイナス4・9%に引き下げられており、先進国は8%、新興国は3%のマイナス成長となる見込みだ。
IMF首席エコノミストのギータ・ゴピナート氏は、「パンデミックは大規模な経済のロックダウンを引き起こした。都市封鎖はウイルス蔓延を抑制し、命を救うのに役立ったが、世界大恐慌以来という大規模な景気後退ももたらした」「回復に向かい始めた国もあるが、共通した解決策がないため、回復は非常に不安定で、各国や各部門に与えるインパクトも異なっている」と語った。
IMFは各国がパンデミックに対抗するために費やした経費や負債額の分析も行った。ブラジルが抱える負債はGDPの102・3%で、来年は100・6%となる見込みだ。ブラジルの負債は新興国の中でも高く、経済発展のネックとなっている。
来年度の世界のGDP成長予測は5・8%から5・4%に下方修正された。ブラジルの成長予測は2・9%から5・4%に引き上げられたが、新興国全体の成長予測の5・9%は下回っている。